【落語・まくら】噺家のうまいへたは導入部分を聞けばすぐにわかる

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落語家修行

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

道楽で落語もやってます。

もう13年くらいになりました。

プロならそろそろ真打の声がかかる頃ですかね。

知ってますか。

真打というのはやっとおまえも1人前になったよという称号です。

といってもここからなんです。

始まるのは。

長い旅ですよ。

なんの保証もないのに、よく若い人が次々と落語家をめざすもんだ。

怖いものがないからでしょう。

師匠方はみんなやめろと言います。

苦労するよ、食べられないよ。

それでもお願いしますと頭を下げてくるんですね。

身の程を知らないというのか、なんというのか。

それからの苦労は想像を絶するものです。

好きじゃなくちゃやれない。

そりゃそうです。

無給ですからね。

親をつれてこいと言われて、親子同伴で師匠に頭を下げるワケです。

一心同体ですから。

文句もいえません。

完全なタテ社会です。

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まくら

ところで「まくら」の話です。

本編への導入部分のことをいいます。

お客様の気分をほぐす。

自分の方に意識を集中してもらうのです。

ご通家でたくさん落語を聞いている人は、ここでだいたいなんの噺をするのかわかります。

落語は基本的にネタ出しをしません。

今日はなにを喋るのか、あらかじめネタ出しをしないのです。

その日の客席の様子とか、天気とか。

いろんな要素がありますからね。

まくらを喋りながら、だんたん選択肢をせばめていきます。

まくらの名人はなんといっても先日亡くなった柳家小三治でしょうね。

長い時は本編よりまくらの方が長かったくらいです。

小三治には『まくら』という本があります。

これは抜群に面白い。

もう文明批評と呼んでもいいものも数多く入っています。

これだけでCDになってるのはこの噺家だけです。

本も続編まで出てます。

面白い。

ぼくは「駐車場物語」が好きだな。

時間があったらきいてみてください。

本を読んでもおもしろい。

なんなんだ、この人は。

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川柳の味

まくらでお客の反応をみると先刻書きました。

それだけにまくらを話すときの真剣さは並々のものではありません。

もちろん、噺家は暢気な顔をして喋ってます。

緊張感をお客に悟られてはなりません。

今日はこの噺かなと思って聞いていると、突然違う方向に行ったりもします。

落語に入る時、よく引き合いにだされる川柳にも味わい深いものがありますね。

特に欲に目がくらんだ人物が登場する時に使うのがこれです。

落語にはとんでもない人物がでてきますからね。

こんなのがいるのかというようなアホもいれば、これはやりすぎでしょというのも出てきます。

つまりなんでもありなんです。

しかし、登場人物はみんなかわいいもんだ。

有名なのを1つご紹介しましょう。

覚えておいて損はありません。

欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を忘るる

欲望

実に含蓄のある表現ではありませんか。

人間の欲望には際限がありません。

そのことが人生を大きく狂わせる材料ともなります。

あらゆる犯罪には欲望がからんでいます。

捨てる勇気、諦める勇気も同時に必要です。

しかしそれを実行することのなんと難しいことか。

シンプルライフを実践した人だけに広がる心の平安を想像してみることが大切です。

ものを持って幸せになった時代はとうに過去のものなのかもしれません。

落語はいいよ。

ただし自分でやると、やたらと難しいですけどね。

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今日はここまで。

See You Again。