【古本・ブックオフ】1冊10円になる文庫本の命に悲しみが宿る

スポンサーリンク

ブックオフ

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

古本屋さんの大手といえば、ブックオフですね。

日本中、いたるところにあります。

売れ筋はなんといってもコミックかな。

文庫本もあります。

ぼくが行くのは100円均一のコーナー専門です。

仕入れは10円ですかね。

前に1度持っていったことがありました。

だれでも仕分けができるんです。

マニュアル通りやればよろしい。

かつて古本屋といえば、店内は暗く、奥の机に本のことだけには精通しているらしい主人が、黙って座っていたものです。

胃の調子でも悪いのかいつも不機嫌な表情でしたね。

本を売ろうとすると、じろりと睨まれ、その前で口頭試問を受けるような緊張感を覚えたもんです。

そのあたりの様子は五木寛之のエッセイ『風に吹かれて』の中によく書き込んであります。

自分の本が安く評価されると、審美眼を疑われているような気分になったそうです。

なんとなくわかるような気がします。

自分の読んだ本には自ずと愛着がわきますからね。

それがみんな1冊10円じゃあんまりだということになります。

しかし現代は全てマニュアル通り。

アルバイト店員の元気な声を聞きながら、時代の変化を感じる昨今です。

彼らは本の価値なんて考えたことがあるのかな。

そんな気分についなります。

ぼくも不必要なった本はどんどん処分しています。

持っていても読まないしね。

スポンサーリンク

ボランティア団体

これはあるボランティア団体に参加している人に聞いた話です。

そのグループでは障害のある人達と一緒に、市のコミュニティセンターの中に店を開いています。

第3世界の衣料品や、日常の細々とした雑貨、また各地でとれた無農薬野菜や、花など、なかなかすばらしい商品ばかりです。

しかしそれらの他にも大きな収入源があるのです。

それが古本なんです。

地域の人たちが無料で持ち込んでくれるものです。

ですから、仕入れ値はありません。

売れれば、全てが儲けになるのです。

しかし最近、本を持ち込んでくれる人がめっきり減ったとか。

その理由のほとんどは、古本のチェーン店にあるといいます。

規模の大きなブックオフがそばにできるとダメみたいですね。

どんな古本でも一応はチェックしてくれます。

以前ならば断られたようなものでも、受けつけてくれるのです。

しかし売りに出せないものは返品されます。

ちょっと汚れたものは、俗に天という本の上端をやすりのついた機械にかけます。

これでリニューアルが完成するのです。

店に出された本は売れなければ、数週間のうちに一冊100円のコーナーにうつされます。

さらに売れなければ廃棄処分です。

全てが決められた工程をたどるのです。

今まで本を持ち込んでくれた人たちも、今はみんなこのチェーン店に行ってしまうようです。

細々と市の支援で行っているボランティア団体の活動にとって、大きな打撃となりました。

スポンサーリンク

一古書肆の思い出

『一古書肆の思い出』という名著があります。

これは本格的に古書の道に進んだ反町茂雄さんが書いた本です。

とにかくものすごい内容なので、読むと圧倒されます。

彼の古書に対する透徹した目はおそろしいほどのものです。

鑑定家そのものですね。

扱う本には重要無形文化財とか、国宝に近いものもあったそうです。

読んでいるとゾクゾクしてきますよ。

普通の人がこんな本を手に触るなどということは生涯ないでしょう。

藤原定家の直筆本などと言われると、それだけで怖ろしくなります。

値段なんてあってないようなもんです。

お金がないと買えません。

数千万円の単位です。

どこにも買ってもらえない時は、ある大学の図書館にいつもお願いしたそうです。

古本の未来

かつて学生だった頃は、よく古本屋を巡りました。

本を選ぶ時の直感はあの頃に養ったものですね。

今はそんなもの必要ありません。

効率が優先します。

歩いている暇があったら、ネットで探した方がはやいのです。

それにもうほとんど買いません。

残しておきたい本も減りました。

つまりみんなどこかに消えてしまったというワケです。

どこへ行ったんでしょう。

大半は寄付させてもらいましたよ、もちろん。

今日はここまで。

じゃあね。

See You Again。