並んでもおいしい店で食べたい人vs少々まずくても並ばずに食べたい人

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角田光代

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

今日はちょっと前に読んだ角田光代のエッセイの話を書きます。

タイトルは『しあわせのねだん』。

すごく昔の本です。

2009年に新潮文庫に入りました。

なんでこの本を読んだとかというと、その少し前に『さがしもの』という短編集を読んだからです。

これも面白かった。

この作家は癖が強くて好き嫌いがはっきりと分かれるタイプですね。

はっきりいえば暗い。

『八日目の蝉』とか『紙の月』などというタイトルを耳にした人もあるでしょうね。

きついのです。

どこか世の中をまともに生きていない人の匂いが文章から漂ってきます。

それがたまらなくいい人もいるでしょう。

でも気持ち悪いと感じる人も多いみたいです。

その彼女がちょっと若いころに書いたエッセイです。

ばかばかしい話が書いてあります。

どうもものぐさな人みたいですね。

面倒くさいことは極力やらないタイプとみました。

お酒が好きで、随分お金をつかったみたいです。

1番面白かったのは、超まずいラーメン屋に入ったときの話です。

とにかく並ぶのが大嫌い。

うまいけど、並ばなくては食べられないのなら、やめる。

まずくて並ばない方にすっと入る。

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あなたはどっち

その彼女が駅前のビルの地下にあったラーメン屋に入った時の話です。

お昼時だというのに、お客がいない。

なんとなく不安ですよね。

その近くには並ばないと入れないラーメン屋さんが何件もあるのです。

しかし並ぶのはイヤ。

それならばというので入ったけれど、心底ここまでまずいラーメン屋に入ったのははじめてというくらいひどかったみたいです。

結構年季の入った主人とその奥さん。

どうしてこんなにまずいのにやっていられるのか。

その心情を彼女はいろいろと考えます。

あるいは2人はこれを本当においしいと信じて、つくり続けているのか。

だとしたら、よほどの味覚音痴か。

無理においしいと掛け声をかけながら、食べているうち、ついに気持ちが悪くなり頭痛がしてきて、外に飛び出したとか。

階段をのぼった青空が見えたとき、やれやれ助かったと清々しい気持ちになったそうです。

そんなことがあったにも関わらず、彼女は相変わらず、並ぶことを潔しとしません。

全く頑固な人だ。

さてここであなたに質問です。

あなたならどうする。

実はかくいうぼくも、並ぶのは大嫌いです。

以前、アメ横のラーメン屋で5人くらい待った時も、もう帰ろうと思いました。

江戸っ子は気が短いんです。

ちなみに角田さんは江戸っ子じゃないけどね。

まずくても並ばずに食べるのか。

はたまた、おいしければいつまでも並んで待つのか。

人生の選択はほんとに難しいよ。

今日はここまで。

じゃあね。

バイバイ。