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【漫罵・北村透谷】日本の開化は内なる革命でなく移動にすぎなかった

漫罵みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は日本の開国にあたって、文化の移入がどのような行われたかについて考えます。北村透谷(とうこく)という作家の名前をご存知でしょうか。明治初期に文芸評論や詩作などの活動を行った人で...
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【高瀬舟・森鴎外】弟殺しの罪人は微笑んで島流しの刑に

高瀬舟みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は森鴎外の名作『高瀬舟』を読みます。中学校の教科書に載っていますね。学校で習ったことと思います。どんな話だったか覚えていますか。「高瀬舟」とは、島流しを命じられた京都の罪人を...
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「夏目漱石・硝子戸の中」短編の味わいはすべてここに

日常の風景みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。最近は漱石の作品が青空文庫で読めるようになりました。明治は遠くなりにけりですね。タブレットなら活字の大きさも自由自在。誠にありがたいです。夏目漱石という人は不思議な作家です。...
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【夏目漱石・夢十夜】運慶は木の中から仁王の魂を掘り出す鬼になった

不思議な小説みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は夏目漱石の小説『夢十夜』を取り上げます。高校の教科書にはかなり取り上げられています。特に第1夜が多いようですね。格別に夢の要素が強い章です。覚えていますか。こんな夢を...
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【伊東静雄】わがひとに與ふる哀歌と春の雪は三島由紀夫を震わせた

心打つ詩みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は伊東静雄の詩を取り上げます。この詩人の存在をご存知でしょうか。学校でも滅多に扱うことがありませんね。本当に好きな僅かの人だけに愛されている詩人です。日本浪曼派を代表する人...
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【発心集・鴨長明】漢竹の笛だけを所望した風雅な隠遁者の仏教説話

風雅な法師みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は鴨長明の『発心集』を読みます。元々、日本にある発心に関する仏教説話を扱っています。仏道修行に進もうとした動機に、スポットライトをあてているのです。長明を連想させる隠遁者...
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【言いあてし薬師・花月草紙】人は苦しい目にあってはじめて忠告の意味を知る

言いあてし、薬師みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は『花月草紙』を取り上げます。松平定信のことはご存知ですね。江戸時代、寛政の改革を行い、幕府財政の再建の為に、大胆な財政緊縮政策を行った老中です。退隠後は学問、文筆...
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「腹悪しき女房・沙石集」親孝行と嘘をつくことの重みを考えると

腹悪しき女房みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は説話集の中から解説します。これは北条時頼の人柄を彷彿とさせる逸話です。と同時に登場人物の男の孝行心もみごとに描かれています。時頼は鎌倉時代中期の鎌倉幕府第5代執権とし...
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「人生読本落語版・矢野誠一」ラップ全盛の時代に急がない生き方

人生読本落語版みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今はスピード時代ですね。なんでもショートカットで、いいところだけとる。音楽も映画もみんな短かくまとめて、紹介してくれるサイトまであります。誰ものんびりとお付き合いなんかし...
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【誰かの靴を履いてみること】息子の学校生活に学ぶ【ブレイディみかこ】

エンパシーとシンパシーみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はコラムニスト、ブレイディみかこさんの文章を読みましょう。2019年、イギリスの公立中学に通う息子さんについてのエッセイ集を出版しました。タイトルは『ぼくはイ...
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【神様・川上弘美】寓話9編が懐かしさに彩られた非日常をあぶりだす

「神様」みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は何度読んでも、そのたびに新鮮な短編集をご紹介します。川上弘美の『神様』がそれです。とにかく出色ですね。高校1年の教科書に所収されています。ぼく自身、何回も授業で扱いました...
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【山東京伝・内田百閒】不思議な味わいのある夢物語は師、漱石に似て

内田百閒みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はユニークな小説やエッセイで有名な作家、内田百閒(うちだひゃっけん)を取り上げます。彼の作品を読んだことがありますか。1度でその魅力にとりつかれることと思います。読後感が他...
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【好感度】機嫌の良さとゆるい空気感が信頼される人の存在感を育てる

機嫌のいい人みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はちょっといつものテーマから横道にそれてみます。あなたの存在感をどうしたらアピールできるのかという点について考えてみましょう。存在感って他人に信頼される人間ということ?...
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「身体加工」タトゥーやピアスをする人の深層にある不安「自己確認」

タトゥーとピアスみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は「考える身体」と題した三浦雅士の身体論を考えます。最初のところを数行読んでみましょう。耳にピアスをしている若者が目につくようになって久しい。以前は女性でさえイヤリ...
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【作文コンクールと受験】chatGPTで書いた文章を瞬時に見抜く技とは

生成AIとコンクールみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。先日の朝日新聞朝刊をお読みになりましたか。タイトルは「作文コンクールAI警戒」というものでした。夏休みによく実施される作文コンクールの話です。その応募作の中に、Ch...
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「独学の基本」最良の縁と相性がハイレベルな経験知と脳力を創り出す

縁と相性みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は独学の基本について考えます。それは何か。ズバリ最良の縁と相性です。ぼくはこの2つの存在を信じています。今までの人生の中で本当にさまざまな人に出会ってきました。仕事も何度か...
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【実在論と唯名論】永遠の論争の原点はであることとすることの違い

実在論と唯名論みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は哲学の根本的な考え方について、少し頭を悩ませてみましょう。よく言われることです。実在論と唯名論の違いは何かということです。この表現を聞いたことがありますね。ただしき...
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【言葉と表情】どちらがよりコミュニケーションの道具として有用なのか

舌打ちの意味みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は「言葉」と「表情」という2つのキーワードについて考えてみます。この両者はどのような特徴を持っているのでしょうか。その中で、ここでは誰もがとっさにしてしまうことのある「...
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【TDL閉館第1号】ミートザワールドの存在が超懐かしい【思い出】

夢と魔法の国みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。東京ディズニーランドの話をします。できたてのアトラクションについての話題ではありません。かなり昔のお話です。今回は過去のアトラクションについて、ちょっと書かせてください。新...
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【シャーデンフロイデ】他人の不幸を密かに望む悲しい人間の性【嫉妬】

嫉妬の感情みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は人間の心理について少し考えてみましょう。人間は複雑な生き物です。あなた自身の心の内側を少し覗いてみてください。いやな言葉がありますね。「人の不幸は蜜の味」というのがそれ...
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【落語・千両みかんと勝者の呪い】モノの価値は需要と供給という論理の奴隷

花見酒の経済みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はちょっと落語の話をさせてください。落語と経済学をアレンジしたものを、授業で扱うというのはユニークな発想ですね。もともと、お金にまつわるネタは落語の中にかなりあります。...
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【スクーリング】カリスマ創始者を至近距離で見た日

PRの仕事みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。教員になる前はマスコミの仕事をしていました。今でもよくその頃のことを思い出します。かなりのインパクトがあったということなんでしょうね。普段なら会えない人にも会えました。とにか...
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【贅沢の条件】情報化社会と物語の間には「はるけさ」と「おののき」が潜む

贅沢の条件みなさん、こんにちは。今回のテーマは「情報化社会」です。情報が世界を駆け回るスピードが速くなっています。地球のどこかで起こった事件が、瞬時に世界中の人の知るところとなります。そこにどのよう意味があるのかという追体験をする余裕などあ...
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「茶番に寄せて・坂口安吾」日本の文化に道化の観念が希薄なのはなぜか

笑いの本質みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は坂口安吾が1939年に書いた「茶番に寄せて」の一部を読みます。なぜ日本には道化の概念が根づかないのかというのが主題です。笑いの本質を探るのは大変に難しいですね。落語家、...
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【才と徳・資治通鑑】聖人・君子・小人・愚人を見分けて配置するためのヒント

才と徳みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は中国北宋代の政治家、歴史家である司馬光(1019-1086)が1084年に著した『資治通鑑』(しじつがん)を読みます。この本は実際の政治を行う上での参考にすべき書として作ら...
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【人材発掘】企業は集合のど真ん中と辺境にいる人間を求めている

求人欄みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は企業の人材発掘について書きます。ぼく自身、教師になる前はサラリーマンでした。時たま、会社員時代のことを思い出します。ものすごく懐かしいです。出版社に勤めていました。ご存知で...
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【沈黙する花】美しい花があるだけで花の美しさというものはない

沈黙する花みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は映画の中に登場する花について考えます。たまたま、教科書で映画監督、西川美和氏のエッセイを読みました。その瞬間、評論家、小林秀雄の有名な警句を思い出したのです。御存知でし...
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『ハヤブサ消防団』と『彼は早稲田で死んだ』の2冊を読んで考えたこと

週に2冊みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。暑い夏の到来となりました。涼しい環境にいると、つい横になることが増えます。いつの間にか35度が標準、40度が猛暑という基準になってしまいました。毎日、熱中症に気をつけろとテレビ...
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「太宰治」名作津軽は屈折した故郷への愛と自虐的な作家魂の結晶である

富嶽百景みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は学校で何度か教えた太宰治の小説『津軽』を解説します。今、小説と書きましたが、その性格はかなり曖昧です。ルポルタージュともいえば言えます。旅行記の一種です。しかしその筆致は...
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【女生徒・太宰治】少女の不安を巧みに表現した自意識過剰型日記

自意識過剰みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。太宰治というのは不思議な作家ですね。周囲の人にさまざま迷惑をかけながら、人妻と入水自殺までし、それでもいまだに多くの読者に愛されているのです。確かに文章力があります。言葉を縦...