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「詩人への旅・伊良子清白」のどやかな海の記憶

伊良子清白伊良子清白の故郷は鳥取である。しかし実母をはやく失った彼は、父の再婚、転任に伴い十歳の年に三重県の津に移り住んだ。故郷との縁はとても薄かったとしか言いようがない。三重の海はのどかであたたかい。幼い頃の鳥取での生活に比べて、何もかも...
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【自然木とコンクリート】二項対立で論点をあぶりだす【隈研吾・安藤忠雄】

コンクリートの時代みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。建築家・隈研吾の名前が一躍知られるようになったのは、国立競技場の設計がコンペに通った時からといってもいいでしょう。自然の素材である「木」を使い、格子を多用したデザイン...
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通信制高校はスクールカーストのワクを超えたというリアル

通信制高校進学こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。退職してから2度、中学校の非常勤講師をやりました。期間にして数ヶ月です。その間に様々な光景を垣間見ました。一つは必ず各クラスに不登校の生徒がいることです。最低1人。クラスによっては...
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「故郷の廃家・饗庭孝男」語り部のひとりとして一族の歴史を綴った鎮魂歌

故郷の廃家みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はぼくの好きな本を1冊、紹介します。『故郷の廃家』がそれです。この本の奥付には2005年2月とあります。新潮社から出版されました。今から20年も前のものです。店頭に出たと...
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「小論文・足元を掘れそこに泉あり」出題意図を理解し読み手をインスパイアーする

足元を掘るとはみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。小論文の難しさはその言葉にこだわりすぎてしまうところから出てきます。何が言いたいのだろう、と考えるのはかまいません。しかしあんまりひねくり回してしまっては元も子もないので...
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【夏目漱石・門】何度読んでも寂しくなるリトマス試験紙のような小説

不思議な小説みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は夏目漱石の小説について書かせてください。漱石と言えば最初に思い浮かぶのが『坊ちゃん』でしょうか。『吾輩は猫である』『こころ』などもよく知られています。しかしその他の作...
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藤沢周平の時代小説・蝉しぐれに人の世の不条理を教えられた

時代小説の代表みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今までに随分多くの時代小説を読んできました。山本周五郎、司馬遼太郎を筆頭に、乙川優三郎、池波正太郎。現代の小説に疲れた時は、やはり時代小説でしたね。随分と元気をもらいまし...
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「悩みのるつぼ」みんな悩んで大きくなった「車谷長吉の人生相談」

悩みのるつぼみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。作家車谷長吉さんが亡くなったのは、もうかなり前のことです。誤嚥による窒息死でした。ご存知ですか。小説を読んだことのある人は少ないでしょうね。代表作は『赤目四十八滝心中未遂』...
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「実売数激減」新聞社からは悲鳴しか聞こえなくなった「ネット時代」

実売数激減みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。毎年、新聞社から公称発行部数が報告されます。その数字を見ていると怖いです。元々、雑誌なども含めて公称と実売部数の間にはかなりの差があることは、誰でもよく知っています。媒体は広...
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ゆとりと奥行きが抜け感を育て肩に力の入らない人間を作る

教養の大切さみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。ここのところ、人はどう生きたらいいのかと考える時間が増えました。何をいまさらと言われればそれまでです。しかし本当なのです。年齢を重ねてきたからかもしれません。いい人生をさら...
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松本清張のミステリーは人間のカオスから生まれたという説を検証する

清張ミステリーみなさんこんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。毎日いろんな話を書いています。書評もやりたいのですが、あんまり無理してもいけないので、可能な範囲でちょこちょことまとめていきます。そのうち、記事数も増えていくのかな。塵も積...
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【水のいのち・高田三郎】合唱曲の中でも異例の人気を誇る無垢な作品

無垢な音みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今日はぼくの好きな合唱曲の話をさせてください。もちろん、これがベストだなんて簡単には決められません。好きな曲はたくさんあります。中学、高校時代を通じてずっと合唱をやってきました...
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【9才の壁・国語力】勉強のつまずきはここから始まる「帰国子女」

国語につまずくみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は今までの経験から気づいたことを書かせてください。赴任していた学校での話です。いわゆる帰国子女をたくさん預かる高校でした。担当の分掌についていたため、他の先生方より彼...
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「学力」子どもが良い成績をとることにこだわらなくなった保護者たち

調査の結果みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は2024年度「経年変化分析調査」の結果を考えてみたいと思います。この調査は、小学6年(約3万人)と中学3年(約7万人)を抽出して3年ごとに同じ問いで変化を分析するもので...
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【孤独の深さ】他者と比べるからこそ疎外感を持つという悲しい人間の宿命

孤独の深さみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は孤独の深さというテーマを考えてみたいと思います。人間にとって「孤独」は永遠の課題です。最も強い絆で結ばれていると考えられるのは、やはり家族ではないでしょうか。自分の気持...
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「9割本の行方」数多く出版されたこのジャンルにもさすがに飽きが来たか

9割本はもう過去の話みなさん、 こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はつい先日、近所の図書館を訪れた時のこと書きます。驚きましたね。建物の中へ入った途端、ずらっと並べられた本のコーナーが目に入ってきたのです。大きなタイトルが目...
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【教育格差】少子化の問題をつきつめると日本はどこへいくのか予測不能

少子化みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は小論文の重要なテーマの1つを考えてみます。ずばり、少子化です。今日の日本が抱えている大きな問題なのです。高齢者が増える一方で、出生者数が全く伸びません。昨年の「合計特殊出生...
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【リスク社会】真水がわずか2.5%しかないという地球の現実に未来はあるのか

リスク社会みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は小論文のテーマを考えます。内容はずばり「リスク」です。地球はあらゆる危機に満ちています。SDGsの課題を考えてみても、解決への糸口がすぐにみえてこないのは、明らかです。...
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令和の学歴格差!親の情報と年収を徹底的に比較してわかったこと5つ

地方から東大へみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師のすい喬です。長い間教師をやってきたせいか、他の人の知らないことがたくさん見えてしまいました。正直つらいことも多かったです。能力の差というのも、本当はそれほどにないと考えたいのですが、...
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【落語】鼓ヶ滝は西行法師の成長をあたたかく見守った和歌三神の物語

稽古は強かれみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。もう15年以上も落語の会に入れていただいています。覚えるのは苦しいです。とくに長い噺は本当にしんどい。しかしそれをお客様の前でご披露し、喜んでいただいた後の気持ちは他では味...
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【男性vs女性】今の時代により生きやすいのはどっちなのか【徹底比較】

男性vs女性みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。高校にはいくつかの選択授業があります。ぼくの好きなのは国語表現でした。割合、自由にカリキュラムが組めるのです。小論文の授業ももちろんやりました。時間があるときには、ディベー...
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【立原道造・ソネットとの出会い】夭折の詩人の14行詩には死の予感が

ソネット形式みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は立原道造の詩を読みます。名前は聞いたことがあると思います。特に女性には人気がありますね。詩の言葉が優しいのです。しかし内容は厳しく、孤独感に満ちています。ソネット形式...
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受験脳は親子の読書習慣なしに育たないという厳粛な現実

受験脳は読書脳みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。ここ数年、高校受験、大学受験の様子も様変わりしてきました。なぜでしょうか。理由はさまざまです。新しい教育指導要領。新しい大学入試制度。目の前でどんどん変革が進んでいきます...
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「言葉がつくる男と女」アイデンティティはどのようにして形成されるのか

言葉がつくる男と女みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はことばとアイデンティティの関係について考えてみましょう。よく使う語彙の1つがこのアイデンティティです。なんとなくわかっているものの、きちんとは答えられない謎の単...
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落研がなかったら作ればいいじゃないというオタクっぽいホントの話

落研のイメージみなさん、こんにちは。アマチュア落語家のすい喬です。突然ですが落研と聞いて、どんなイメージを浮かべますか。暇な学生のサークル。遊び人の集まり。中心はもっぱら大学生ばかりかな。いま、活躍している咄家には落研出身の人がたくさんいま...
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【落語】誰にでもできる面白くて楽しい定番の小咄はこの15話 

最初の寄席みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は誰にでもできる楽しい噺を特別に集めてみました。芸は身を助けるといいます。自分も楽しいし、聞いている人も楽しくなるというのは、悪くありません。是非トライしてください。江戸...
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【空白の意味】日本人は白い無の境地を心から愛した【美とは何か】

空白の意味みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は多くの大学入試に出題されたデザイナー、原研哉氏の代表作『白』を題材にして考えます。筆者はグラフィックデザイナーとして、広告やイベントなどの企画デザインを多く手がけていま...
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【マルジャーナの知恵】利潤は差異から生じるという資本主義の論理

マルジャーナの知恵みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。唐突ですが、今回はアリババと40人の盗賊の話をします。といってもそのあらすじを紹介するのではありません。そこに登場する女奴隷、マルジャーナの存在の意味についてです。彼...
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【京都大学入試・大庭みな子】創作の秘密に触れたみずみずしい随筆が胸にしみる

2014年京都大学入試問題みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。入試問題を調べていると、かたい評論の中に混じってとんでもなくみずみずしいエッセイや随想などにふれることがあります。そうした文章からは身体の中に、清冽な水が流れ...
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「NotebookLMの底力」生成AIの実力を『銀の匙』で試してみたら怖くなった

NotebookLMみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。AIの進歩は想像を絶する速さで進んでいます。少しぼんやりしていると、あっという間に追い越されてしまいます。今回は本当に度肝を抜かれるような気分になった話をします。G...