紛失(ふんじつ)ものだらけの日々

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なんとも情けない。
毎日、あれはどこへいったのと呟き続けている。
いちばんは懐中ものかな。
財布、カギ、スマホ。
でかけようと思うとない。

テーブルの脇に籐で編んだカゴがおいてある。
そこへ全部入れる約束にはなっているのだけど。
どうもうまくいかない。
つい手近なところに置いてしまう。

さて困った。
デジタル機器の紛失(ふんじつ)ものが最近増えたかも。
今までに何度もスマホを置きっぱなしにした。
やっぱりいつも手元にないと不安ですよ。

だれかがすごい技術でパスワードを突破するとしよう。
そこから貴重なデータを抜き取られるような気がすごくするのだ。
といって、現実にはそれほどのこともないとは思うけど。
仕方がないので、行き先を探すソフトを取り出します。
なんのことはない。
職場の机の引き出しにちゃんとありますよと教えてくれる。

でも翌日まで待つのがつらいのだ。
やっぱり不安だね。
近年、とにかくいろいろなものが紛失(ふんじつ)する。
やたらとあちこちにおいて、家の中をうろうろしているので、どうにもならん。
リモコンもよくなくします。

以前、新幹線のチケットをゴミ箱に捨てたことがあったらしい。
確認はしてないけどね。
今でも家人には言われます。
バカじゃないのの一言。
お金、返せ。
ああ、やだ。

ちなみに落語に紛失(ふんじつ)もの探しの名人の噺がある。
もちろん、インチキだけど。
そろばん占いでなんでもあてちゃうという。
タイトルは「お神酒徳利」。
聞いてみて。

要するにボケたのです。
そのうち、外に出た途端、どこに帰るのか皆目わからなくなる。
交番の入り口にある捜索以来のポスターにちょこんと載る。
かわいそうね、と呟かれてさてその先は。

その頃、ぼくは自分が紛失(ふんじつ)ものになったことすら知らないのだろう。
これって安部公房の小説みたい。

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