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【トリアージ社会】生命の重みを図る客観的な手段は存在するのか

生命の重みみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はコロナウィルスの蔓延によって顕在化された、人間の生の重みについて考えてみます。重症のコロナ患者にとって、最後の命の綱は「エクモ」と呼ばれる人工心肺装置でした。しかし高価...
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【空白の意味】日本人は白い無の境地を心から愛した【美とは何か】

空白の意味みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は多くの大学入試に出題されたデザイナー、原研哉氏の代表作『白』を題材にして考えます。筆者はグラフィックデザイナーとして、広告やイベントなどの企画デザインを多く手がけていま...
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【落語は口伝】台本が全くないと聞くと大概の人は驚くのだ【子ほめ】

落語は全て口伝みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。趣味で落語をやってます。もう15年以上が過ぎました。最初の頃は物珍しさが先になり、なにをやっても面白かったですね。今はどうか。むしろ怖いです。当時、落語には台本があると思...
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【真実の百面相・大森荘蔵】人間は複雑怪奇でこころはアジサイの花とおなじ

本当とは何かみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は「本当」について考えます。人間はある年齢になると、何が本当なのかということを知りたくなります。「真実」といってもいいかもしれません。自分探しなどもその1つかもしれませ...
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【国語力低迷の危機】読書はタイパが悪すぎる「本なんか読まなくたって」

月に1冊も読まないみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は読書の話です。文化庁国語世論調査の結果がつい先日公表されました。驚きましたね。月に1冊も本を読まない人の割合が6割超に上っていたのです。2023年度の「国語に関...
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「同調圧力の強い社会」異邦人の存在とは何かという問いに答える試み

自己認識みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。グローバルな時代を迎え、従来の内向型の社会構造を変えようという試みが、あちこちで行われています。ネットワークもそのために活用されていることはいうまでもありません。しかし「異邦人...
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「メディアとの共生」広告と情報の境界線はどこにあるのか「ステマの恐怖」

メディアとの共生みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は広告と情報の境界線について考えます。ネット時代に入り、あらゆる情報が瞬時に世界を飛び回っています。メディアは情報を提供する重い役割を持つようになりました。新聞やテ...
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『源氏物語』は一条天皇の中宮・定子に捧げた鎮魂のための創作だったという説

角田光代の源氏物語みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は名作の誉れ高い、『源氏物語』をとりあげます。あなたは作家の角田光代をご存知ですか。話題作を次々と発表している現代作家の1人です。代表作に『対岸の彼女』『紙の月』...
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【クレールという女・須賀敦子】信念を持つ女性の生きざまに憧れる

クレールという女みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は授業で扱わなかった教材について書きます。それがこの「クレールという女」です。なぜやらなかったのか。当時はまだ教科書に載っていなかったのかもしれません。全く授業をし...
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【言いあてし薬師・花月草紙】人は苦しい目にあってはじめて忠告の意味を知る

言いあてし薬師みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は『花月草紙』を取り上げます。松平定信のことはご存知ですね。江戸時代、寛政の改革を行い、幕府財政の再建の為に、大胆な財政緊縮政策を行った老中です。退隠後は学問、文筆に...
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【現代の価値観】「私」の消えた欲望には主体がなく始まりも終わりもない

欲望という概念みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は作家・高村薫氏の文章を考えてみます。タイトルは『「私」消え、止まらぬ連鎖』です。あなたは彼女の小説を読んだことがありますか。『マークスの山』で1993年、直木賞を受...
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「原始社会像の真実」原始の時代にも戦争、女性差別、環境破壊はあった

原始社会像の真実みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。ユニークな評論が論理国語の教科書に載っていました。今回はそれを読んでみましょう。高校2、3年用の教材です。タイトルは「原始社会像の真実」。筆者は考古学者の新納泉(にいろ...
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【マルジャーナの知恵】利潤は差異から生じるという資本主義の論理

マルジャーナの知恵みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。唐突ですが、今回はアリババと40人の盗賊の話をします。といってもそのあらすじを紹介するのではありません。そこに登場する女奴隷、マルジャーナの存在の意味についてです。彼...
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「作家・大江健三郎」人間を存在・行動・想像力の結晶として書ききるのが理想

存在・行動・想像力みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は作家、大江健三郎の文学論について考えてみましょう。亡くなってかなりの年月が経ちました。今日、文学はどこへ向かっているのか。数か月前に評論家の柄谷行人氏が朝日新聞...
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【徹底比較】校則の緩さと偏差値が比例するというウワサは本当なの?

校則って何?みなさん、こんにちは。40年間、高校で国語を教えてきたすい喬です。今回は気になった新聞記事があったので、そこから少し話題を広げていこうと思っています。話題は数年前の2月下旬のこと。舞台は世田谷区の公立中学。卒業を目前にひかえた生...
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【プログラミング】VScodeには定番フォントとこの初期設定が神

ソフトはそのまま使わないみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。プログラミングの独学レッスンは進んでいますか。最初のところで頓挫した人は、なかなか先へ進めないものです。あせっちゃいけません。この前ご紹介した「Progate」...
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【京都大学入試・大庭みな子】創作の秘密に触れたみずみずしい随筆が胸にしみる

2014年京都大学入試問題みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。入試問題を調べていると、かたい評論の中に混じってとんでもなくみずみずしいエッセイや随想などにふれることがあります。そうした文章からは身体の中に、清冽な水が流れ...
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【ことばへの問い】世界を言語で分節化していく時にこぼれおちるものは何か

分節化みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はことばの本質を掘り下げてみましょう。出典は哲学史家、熊野純彦氏の評論です。この文章は、小論文の課題文としても有効です。良質な問題になります。解答するのにかなり時間がかかるの...
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【おじいさんのランプ・宇野常寛】ネット時代のメディア論は刺さる

おじいさんのランプみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は高校2~3年で扱う『おじいさんのランプ』を読みます。タイトルだけみると、童話のようにも聞こえますね。これは童話ではありません。メディア論です。筆者は評論家の宇野...
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【林京子・空き缶】原爆の持つ怖しさを日常の中で深く静かに綴った小説

教科書みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。授業でこの作品を扱ったのは、今から10年ほど前です。教科書に所収されているのは知っていました。しかしなかなか取り上げる機会を失ったままだったのです。作品そのものの内容が大変に重い...
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【文化の違いとは何か・岡真理】文化に優劣はないという思想を深掘りする

文化が違うとはみなさん、こんにちは。今回は現代アラビア文学、第三世界思想を研究している岡真理氏の評論を読みます。教材は『論理国語』の教科書からとりました。ぼくたちは何かの判断をする時、「それは文化が違うからだ」とよくいいます。しかしその根本...
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【模倣となぞり】伝統芸能はどのようにして継承されてきたのか【応答と型】

模倣となぞりみなさん、こんにちは。今回は伝統芸能の奥に秘められた継承の秘密に迫ります。新学習指導要領にのっとった「論理国語」の教科書には、様々な文章が所収されています。時には今まで考えたこともない、ユニークなエッセイも載っているのです。今回...
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【正岡子規・臨終の場面】悟りとはどんな時でも平気で生きることなり

正岡子規みなさん、こんにちは。今回は正岡子規の生涯について考えてみましょう。あなたは彼がどんな人か知っていますか。名前ぐらいは聞いたことがありますよね。学校でもほんの少しだけ学びます。しかしその生き方をきちんと勉強するチャンスはなかなかあり...
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「セレンディピティ」偶然の出会いが幸運をはぐくみ新しいチャンスを生む

偶然の出会いみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は聞いたことのある表現の1つをとりあげます。最近よく耳にする言葉に「セレンディピティ」(Serendipity)というのがありますね。ご存知でしょうか元々あった単語では...
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【ピジンという生き方】グローバル社会の中で新しい言葉を作り出す意味

ピジン・クレオール言語みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は多分あまり耳にしたことのないピジン、クレオール言語について考えてみましょう。ユニークな内容なので、最初はとまどうかもしれません。しかし世界の流れを見てみる時...
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【虹の雌雄・蜂飼耳】詩人の持つ独特な感覚をみごとに駆使したエッセイ

詩人の感性みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は詩人の持つ感性に触れてみましょう。鋭い視線が日常の中に投げ込まれた時、そこに全く別の世界があらわれます。残念ながら、ぼくは授業で扱ったことはありません。このエッセイが載...
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【ベル・エポック・絲山秋子】独身女性同士の友情の切なさが身に沁みる短編

ベル・エポックみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は高校の教科書「文学国語」に載っていた短編を読みます。人として生まれれば、想像し物語ることは限りなく自由です。誰にでもできます。しかしそこにリアリティを持たせるのは、...
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【和歌の効用・俊頼髄脳】紀貫之が馬に乗り蟻通明神の御前を通った時に

和歌の効用みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は『俊頼髄脳』を読みましょう。この作品は今年の大学入学共通テストにも使われました。古文の評論といえば、歌論書の類いが多いですね。和歌をたしなむということは、平安貴族たちの...
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【小説とは何か・三島由紀夫】現実を震撼させる言霊の在りかは【遠野物語】

小説とは何かみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は作家、三島由紀夫の小説論について考えてみます。彼はどういう人間だったのでしょうか。一言で言えば、早熟の人です。あまりにも世の中を早くに見過ぎてしまい、成人した後の日々...
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「本を読むことの意味」ネット全盛の時代の中でもう一度考えてみたらこうなった

SNS時代の読書みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。本を読むというのはどういうことなのか。今回もう一度考えてみたいと思います。昨今の本離れは想像以上のものがあります。毎日の通勤や通学の電車内をみれば、そのことがよくわかり...