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【清光館哀史・柳田國男】生の苦痛と熱狂を秘めた歌垣が鎮魂歌になる夜

清光館哀史みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。柳田國男の作り上げた民俗学は長い間、日本の思想の根幹を揺るがしてきました。多くの評論家が彼のフィールドワークを内側にとりこんでいったのです。彼は明治41(1908)年から民俗...
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「言葉がつくる男と女」アイデンティティはどのようにして形成されるのか

言葉がつくる男と女みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はことばとアイデンティティの関係について考えてみましょう。よく使う語彙の1つがこのアイデンティティです。なんとなくわかっているものの、きちんとは答えられない謎の単...
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【鏡の中の現代社会・見田宗介】異世界を知り自明な場所から外に出る

鏡の中の現代社会みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は社会学者、見田宗介氏の文章を読みます。学者でありながら、卓抜なエッセイストでもありました。これほどに柔らかな文章を書ける人は多くありません。詩情に溢れたいい作品ば...
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【日本人と英語】読める(?)けどしゃべれないのはなぜなの【極東の地政学】

読める(?)けどしゃべれないみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は少し日本人と外国語の関係について考えてみます。突然ですが、あなたは外国語を流暢に話せますか。試しに英語をイメージしてみてください。見知らぬ外国人に道を...
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100均で腕時計のバネ棒をみつけたが結果はトホホ!

バネ棒が飛んだみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。少しnoteを真面目にやってみようかなと思ってます。何冊か本をまとめてマニュアルも読みました。しかしそんなに簡単なもんじゃないね。その前に、あれこれと書きたいこともありま...
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「高村薫」日本が崩れていく現実を冷徹に見て取った作家の目「反論不能」

マークスの山みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は作家・高村薫が朝日新聞へ寄稿した文章をもとに、少しだけ考えたことをまとめます。ぼくは彼女の作品を数冊しか読んでいません。あまりいい読者ではないのです。最初に手にとった...
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【ポピュリズムとは何か・森本あんり】論理以前の宗教的な熱情に似たカオス

ポピュリズムみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は政治の大きな変化の渦を予感させるポピュリズムについて考えます。近年よく耳にするようになりましたね。意味をご存知ですか。ポピュリズムとは、政治変革のための方法の1つなの...
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【ようこそ、ヒュナム洞書店へ】ベストセラーを置かない独立店を愛した人々は

ヒュナム洞書店みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は先日読んだ本の話をします。本などというものはたくさん読めばいいというものではありません。心に残る数冊があれば、それで十分なのです。しかし多くの本に触れていると、おの...
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【後悔の連続】過去にこだわる生き方からあなたも自由になりたいはずなのに

後悔と自責みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は過去の大学入試問題から考えてみます。出典のタイトルは『後悔と自責の哲学』です。筆者はドイツ哲学、とりわけカントが専門の中島義道氏です。人間はみな自由でありたいと思って生...
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「源氏物語・心づくしの秋風・須磨」新たな出逢いの予感と海辺の寂しい日々

現代語訳のすすめみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。あなたは「源氏の須磨がえり」という言葉を知っていますか。第1巻の『桐壺』から読み始めたのはいいものの、『須磨』『明石』ぐらいまで来ると、くたびれてしまうことをさしていま...
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「考える身体・三浦雅士」身体をどう動かすかのリアルは集団の文化の中にある

歩き方の変化みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は評論家、三浦雅士氏の書いた「考える身体」というユニークな文章を読みます。タイトルを見た途端、内容がすぐに想像できるでしょうか。近年、身体はあくまでも個人の所有物である...
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【苦しかったときの話をしようか・森岡毅】沖縄リゾート「ジャングリア」いよいよオープン!

すぐに読めみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。いよいよ7月25日に「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」が開業します。沖縄本島北部の「やんばるの森」に建設された総事業費700億円に上る巨大テーマパークです...
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落研がなかったら作ればいいじゃないというオタクっぽいホントの話

落研のイメージみなさん、こんにちは。アマチュア落語家のすい喬です。突然ですが落研と聞いて、どんなイメージを浮かべますか。暇な学生のサークル。遊び人の集まり。中心はもっぱら大学生ばかりかな。いま、活躍している咄家には落研出身の人がたくさんいま...
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【喜劇と悲劇】想像の限界を超えて自由に動けなくなったあなたの悲しさは

悲劇みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は現代人の心の中を少し覗き込んでみます。参考にしたのは劇作家で評論家でもあった、福田恆存氏の文章です。彼はシェイクスピアの研究家としても、よく知られていました。『ハムレット』の...
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【恋の歌を読む・俵万智】鉄幹に愛を捧げた与謝野晶子の歌は【挽歌】

恋の歌を読むみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。恋の歌というのは永遠ですね。人は他者を愛すると、言葉を紡ぎだしたくなる生き物のようです。古来からたくさんの人が相聞歌をつくり続けてきました。相聞歌とは男女の恋愛をうたったも...
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【緊急・医療看護系小論文】安楽死と尊厳死の境はいまだ確定せず

ターミナルケアの難しさみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は6年前に起こった嘱託殺人事件について考えてみたいと思います。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者を、致死薬で殺害したとして医師が逮捕され、その後裁判になっ...
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「遅いインターネット・宇野常寛」世界との距離感を保つ「書くことの役割」

遅いインターネットみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は今、話題の人、評論家の宇野常寛氏の文章を読みましょう。大塚の駅前に彼の独立書店が開業したという話です。ブログの記事によれば、出店の動機は「本を読む生活」をサポー...
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「いつも何度でも」主題歌には宮崎駿の死生観が滲み出ている「千と千尋の神隠し」

胸にしみるみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回はスタジオジブリのアニメ「千と千尋の神隠し」の主題歌について書きます。断っておきますが、ぼくはジブリの映画を全て見ているわけではありません。トトロなどはかわいいので何度も...
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飛行機にはバックするためのギアがないという当然のようで嘘みたいな真実

バックしたい時はみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。突然ですが、ぼくは飛行機が大好きです。あなたはどうですか。空を飛ぶだけで、すごいです。形もいいですね。なんとなくロマンがある。自家用ジェットを買いたいとまでは、思いませ...
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【宮沢賢治・永訣の朝】妹トシの死の光景【おらおらでしとりえぐも】

民話の故郷みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師のすい喬です。今回は宮沢賢治について書きます。これほどに人々の心に深く根をはった作家、詩人はいないでしょうね。童話は今も読み継がれ、彼の生きざまは小説や舞台などでも数多く取り上げられていま...
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「あはれの万華鏡・竹西寛子」言葉の持つ複雑で華麗な世界を探求する

言葉の持つ世界みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は作家・竹西寛子氏の評論を扱います。彼女のことを御存知ですか。古典文学に造詣のある小説家です。現代文学の問題として古典を考えようとする独自の視点が一貫しています。16...
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「旅人かへらず・西脇順三郎」超現実主義的感覚の果てに得た「幻影の人」とは

幻影の人と女みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は日本の詩壇でも特異な位置にある詩人、西脇順三郎について考えてみましょう。西脇順三郎は1894年に新潟に生まれました。詩人であり英文学者でもあります。第二次世界大戦前の...
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【落語】誰にでもできる面白くて楽しい定番の小咄はこの15話 

最初の寄席みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は誰にでもできる楽しい噺を特別に集めてみました。芸は身を助けるといいます。自分も楽しいし、聞いている人も楽しくなるというのは、悪くありません。是非トライしてください。江戸...
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【ハラスメント社会】SNSの蔓延で人間関係はカオス化し自家中毒に突入

コンプライアンスみなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。世の中はどんどんかわっていきます。目まぐるしいです。「コンプライアンス」という言葉をよく聞きますね。TOKIO解散の話などは実にタイムリーそのものです。企業活動において...
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「茶番に寄せて・坂口安吾」日本の文化に道化の観念が希薄なのはなぜか

笑いの本質みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は坂口安吾が1939年に書いた「茶番に寄せて」の一部を読みます。なぜ日本には道化の概念が根づかないのかというのが主題です。笑いの本質を探るのは大変に難しいですね。落語家、...
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【小論文・監視社会】人間不信の世の中でカメラだけが溢れかえる現実

監視社会みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は社会の隅々に監視システムの溢れかえる現代の姿を論じます。小論文を書き始めるとき、1番悩むのは文章をどうまとめたらいいのかということです。さまざまなテーマについて論じなさい...
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「連詩の可能性」詩人大岡信が願い続けた新鮮な言葉との出会いはあったのか

連詩の可能性みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は複数の詩人たちが一緒につくる、連詩の可能性について考えてみましょう。中世に流行した連歌については知っていることと思います。日本の古来に普及した伝統的な詩形の一種です。...
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「都立町田高校小論文」最善の手を求め藤井聡太名人は沈思黙考した「AIの時代」

沈思黙考みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。AIの時代に入ってかなりの年月が過ぎましたね。ChatGPTなどの開発ぶりをみていると、驚かされることばかりです。昨年の技術がいつの間にか新しいバージョンに取って代わられ、それ...
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「幸福はどこに」子ども時代との断絶を経験しない大人の行き着く先は

働くことの意味みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。子ども時代との断絶を経験しなかった人が増えていますね。大人と同じような価値観を、いかにも自分の考えとして述べる子どもも増えました。学歴厨などと呼ばれる人も、その中に入るか...
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【公私相背・韓非子】公私の利益が対立する原因は立場の違いにある

公私相背みなさん、こんにちは。元都立高校国語科教師、すい喬です。今回は漢文を取りあげます。題材は『韓非子』です。高校の漢文選択授業などで学びます。漢文は確かに難しいですが、読めるようになると、文の対比が明確であるために、かえって理論的で理解...