秋の空には目黒のさんまが似合う

essay

落語なんて普通の人はやらないです。
恥ずかしいし、みっともない。
できっこない。
そういうもんです。
それが普通の感覚だ。

しかしあえてやってみようとする人も世の中には大勢いるのです。
1人でできるしね。
youtubeを見て完コピすれば、なんとかなると考えるのも無理はない。
しかし見るとやるとは随分違います。
やっぱり難しいのだ。

もう17年目に入りました。
実際にあちこちで高座にあがり、お客様に聞いてもらうようになってから。
最近はなんだかつらいね。
自分の限界を知ることが増えた。

最初の頃は、必死で噺を覚えたよ。
今。いくつやれるのかな。
亡くなった柳家小三治が好きでした。
「死神」は今も好き。

人間国宝になった五街道雲助の最新刊『雲助おぼえ帳』を読みました。
苦労してるよ、師匠は。
自分の任にあった噺かどうか。
それが一番。
柄にあわない噺はいくらやっても無理。

秋ですね。
よくやるのは「目黒のさんま」だ。
バカ殿バージョンでね。
秋の抜けるような天気の日にはピッタリだよ。
好きな噺はいろいろあれど、「井戸の茶碗」も好き。
いい人ばっかり出てくるからね。

名人ものなら「抜け雀」かな。
親子なら「子別れ」。
みんな長い。
30分はかかる。
どうやって覚えたのかな。
それさえ、忘れちゃいました。

近々、またやらないと。
今度も名人ものの予定です。
「ねずみ」かな。
あんまり稽古してもうまくならない。
でもやらないとね。

へんなこと始めちゃったもんだ。

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