清少納言

【枕草子・宮に初めて参りたるころ】殿上人への憧れが清少納言を緊張させた

『枕草子』にはユニークな章段がたくさんあります。その中でも清少納言が初めて出仕した時の記述は素晴らしいものです。当時の宮廷がどのようなものだったのか。もちろん、高級貴族以外の人には知る由もありませんでした。彼女は突然中宮の女房になったのです。

【無名草子・清少納言】中宮定子に身も心も捧げた才ある女性の末路は

無名草子には清少納言のことを書いた部分があります。鎌倉時代の考え方からすると、あまりにも才能を持った女性の一生は幸せにはならないと考えられていたようです。父親から漢文を習ったことで、他の女房達との関係はそれほどうまくはいっていませんでした。

【男こそ・枕草子】美徳のよろめきを読みながら清少納言を考える

清少納言『枕草子』にはさまざまな内容があります。その中で男女の愛情を描いた部分は理解するのが難しいですね。じっくり読んでいると、人間は少しも進歩していないとしみじみ考えてしまいます。三島由紀夫の『美徳のよろめき』を思い出してしまいました。

【ありがたきもの・枕草子】清少納言の観察力にはただ脱帽するのみ

清少納言の『枕草子』には鋭い観察力があふれています。とくにものづくしの段は秀逸です。今回は「ありがたきもの」を読みましょう。滅多にないものという意味です。人の悪口を言ったり、噂をしたり、仲違いをしたり。人間関係は厄介なものです。

【すさまじきもの・枕草子】をかしの世界を貫く超感覚派【清少納言】

清少納言が書いた『枕草子』は何度読んでも面白い本です。彼女のセンスが抜群なんですね。特にものづくしの章段は実に味わい深いです。今回は「すさまじきもの」を読みましょう。意味がわかりますか。興覚めのするものという意味です。

【うつくしきもの・枕草子】小さなものに対する愛情は日本民族の魂か

枕草子の中で清少納言は小さなものへの愛情をたくさん語っています。特に子供の仕草などには愛着が深かったようです。なぜ小さなものをこれほど愛したのか。そこには日本人に共通する感性が宿っているのかもしれません。縮み志向について考えてみました。

【枕草子・参内】初々しい清少納言の実像に出会える唯一の章段はコレ

『枕草子』は日本を代表する随筆です。その中でも日記の章段は清少納言の最も細やかな感性が色濃く滲んだところです。はじめて中宮定子のいるサロンに出仕した時の様子は思わず微笑みたくなるほどです。彼女の柔らかな感性に触れてみてください。

【枕草子・かたはらいたきもの】清少納言の鋭い観察力がひたすら怖い

清少納言の『枕草子』は鋭い観察眼に裏打ちされた怖い本です。しかしじっくり読むと、実に味わいが深いのです。「かたはらいたきもの」の章段は彼女が最も嫌ったものばかりが登場します。それだけに清少納言という女性の性格が全てあらわれているのです。

【枕草子】清少納言の鋭い人間観察力は神品そのもの【定子への敬慕】

『枕草子』を書いた清少納言は人間観察の達人でした。ものづくしの段を読んでいると、その鋭さに舌を巻きます。じっとものを見続ける目の確かさとでもいえばいいでしょう。定子への敬慕にも並々でないものを感じます。すぐれた作品を味わって目を養ってください。

【権力争いの象徴・無名草子】衰亡していく家の姿に世の無常を知る

『無名草子』にはさまざまな話が載っています。中でも中宮定子が亡くなった時の様子がしみじみと書かれています。一条天皇と相思相愛だった中に、道長の権力欲が滑り込んできます。新たな攻防が始まるのです。愛情だけでは生きてはいけない時代の哀しみです。

【歌詠みの系譜】古本説話集9話に紫式部と伊勢大輔の魂の交感を見た

古本説話集第9話に紫式部と伊勢大輔との間に行われた魂の交感の様子が出てきます。歌を詠むということは歌人にとって命と引き換えにするだけの厳しい作業でした。その重責を短時間で見事にやってのけた話の中に、歌人の系譜が見えてきます。みごとな話です。

【徒然草礼賛】百四段の味わいは特筆もの【王朝文学の華やぎに酔う】

『徒然草』は兼好法師の書いた日本を代表する随筆です。中には滑稽な話などもありますが、百四段は特に王朝文学の味わいが残る段です。彼が実際に宮中で見た豪華絢爛とした世界を、自分の想像でまとめたものでしょう。『源氏物語』を髣髴とさせるところもあります。