SNSの功罪
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は「SNSの功罪」というテーマを考えます。
小論文のテーマとして、来年度の入試に出題される可能性がかなりあります。
現代社会において、SNSは私たちの生活に欠かせない存在となっています。
代表的なSNSはFacebook、X(旧Twitter)、Instagramでしょうか。
多様なプラットフォームが存在し、これらを通じて情報を発信したり、友人や家族とつながったりすることができます。
しかし、SNSはその利便性の裏に多くの課題を孕んでいます。
功罪が相半ばしているというのが本音でしょうか。
利点については多くの人が実感していることと思います。
SNSの情報伝達の速さは、人間相互のコミュニケーションを大幅に向上させました。
例えば、災害時にはリアルタイムで情報が共有され、多くの人々が避難行動をとることができます。
個人が自分の意見や作品などを広く発信できる場も提供しています。
これによって、多様な考え方や文化が交流し、社会の理解が広がりました。
SNSは孤独感の軽減にも寄与しています。
特に若者にとって、SNSは友人とのつながりを維持する手段として十分な役割を担っているのです。
さらに地理的な制約を超えて人間関係を築くことも可能です。
今日、全地球的なアプリといってもさしつかえありません。
自己表現の場が広がり、社会的なサポートを得る機会も増えました。
ところが、同時に深刻なマイナス面があるのも事実です。
最大の問題は情報の信憑性が、著しく低下していることです。
誰でも簡単に情報を発信できるため、フェイクニュースや誤情報が広まりやすくなっています。
特に政治や健康に関する誤情報は、人々の判断に深刻な影響を与えているのです。
個人情報の流出
SNSは時に心理的な影響をもたらすこともあります。
多くの人が他者の投稿と自分を比較し、自己評価を下げてしまうことが頻繁にあるのです。
特に、Instagramなどにおいては、他人の生活と自分を比較しがちです。
理想化された生活を投稿するユーザーが多いからでしょう。
うつ病や不安障害を引き起こす要因となることがあるとも言われています。
さらに、深刻なのはプライバシーの侵害を引き起こすこともあることです。
個人情報が簡単に流出するリスクが高まっているのです。
一度投稿した情報は消去できない場合が多いです。
このことは、個人の社会的な評価や将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。
近年は「闇バイト」と呼ばれる犯罪に、SNSが利用されるケースも多発しています。
さまざまな詐欺とからんだ犯罪の巣窟でもあります。
秘密性の高いSNSを利用して、ネットで犯罪を指示するなどという行為が行われ、凶悪な犯罪も複数起こっています。
この問題への対処が、現在もっとも緊急性を帯びています。
SNSが、情報の迅速な伝達や人間関係の構築において重要な役割を果たしているのは間違いありません。
しかし誤情報の拡散や心理的な問題、プライバシーの侵害といった深刻な課題も同時に抱えているのです。
私たちはSNSを利用する際に、その利点と欠点をしっかりと理解しなければなりません。
今後のSNSの在り方を考える上で、これらの功罪を十分に考慮することが求められる所以です。
SNSは誰でもアカウントを容易につくることができます。
それだけに参入しやすく、犯罪にも結びつきやすいアプリなのです。
具体的な対策
誤情報が飛び交い、詐欺犯罪の温床にもなりうるSNSに対して、どのような対応をすればいいのでしょうか。
危険なものには関わらないというのが、ある意味最も安全な態度かもしれません。
しかし時代はそれを確実に拒否しています。
個人が個人として生きていくために、SNSの存在を否定するのは難しいのです。
他者との関係を保ち続けるためのツールとして考えれば、うまくつきあっていくことを考えなければなりません。
ぼく自身、Xに記事を連続して投稿しています。
グーグルのアルゴリズム変更で、サイトのSEOがうまく機能しなくなった現在、SNSの存在価値は非常に大きくなりました。
具体的にはどのように利用したらいいのか。
ここが小論文のポイントになります。
最も大切なことは、情報の信憑性を確認することです。
簡単に情報をシェアする前に、その出所をチェックしましょう。
大切なのは信頼できるメディアや公式情報を優先することです。
いわゆるファクトチェックと呼ばれるものです。
疑わしい情報は、信頼できるそのためのサイトで確認しなければなりません。
さらに自分のアカウントのプライバシー設定を見直し、必要に応じて制限をかけることです。
安易に個人情報を公開しないことが大切です。
闇バイトに関する案件でも、犯人に自分の免許証の写真を送ったなどという証言も飛び出しています。
そこから家族に迷惑がかかるのを怖れ、犯罪に手を染めたというケースが多発しているのです。
基本は過度な利用を避けることでしょう。
食事の時間もSNSを気にし続けているというのは、明らかに過剰です。
定期的にSNSから離れる時間を設け、リアルな人間関係に目を向けることで、安定した精神状態を保つことができます。
つねにポジティブな影響を与えるアカウントを選び、犯罪にからむような情報は遮断することが必要です。
確かに言うは易しです。
その難しさを、同時によく知っておかなければいけません。
自由と規制
実際、SNSを上手に使いこなすにはどうしたらいいのか。
この視点を小論文の中に導入するのも大切ですね。
最終的には自由な部分と、自己規制をする視点が必要になります。
バランスをとる必要があるのです。
SNSは、人々が自由に意見を発信し、自己表現を行う場として大変に重要です。
自由な表現は民主主義の根幹ですからね。。
しかしそれが誤情報などで満たされる環境は、絶対に許されません。
特に誹謗中傷、脅迫、サイバーいじめ、ヘイトスピーチなど、悪質な投稿はSNS上で大きな問題です。
これらに対処するためには、企業や国家単位で規制を導入する必要があるでしょう。
しかしやりすぎてはマイナスにしかなりません。
この匙加減が難しいのです。
未成年者が利用する場合の安全性も課題です。
有害な情報から保護するためのフィルタリング機能などは必須でしょうね。
特に偽情報と誤情報への対応を正確に行う必要があります。
プラットフォームによるファクトチェックを正確に行うための場所が用意されなければなりません。
これは大いに進めなければなりません。
現在もさまざまな試みがされています。
しかし表現の自由とのバランスが難しいのが現状です。
ここがこれから1番の要になると思われます。
戦略を意識する
健全に利用するためには、以下のようなポイントに気をつければいいでしょう。
この部分を強調してください。
基本は利用時間を管理することです。
しかしこれはそう簡単ではありません。
ついスマホを見てしまうというのが、実感に近いのではないでしょうか。
SNSを利用する時間を決めることも大切ですが、必要以上に長く使わないことです。
フォローするアカウントを限定するのもいい方法です。
SNSを見た後にストレスや不安を感じる場合、その原因となるアカウントや投稿を見ないようにすることも大切です。
いつも情報の真偽を確認する癖をつけ、信頼できる情報はどれかということを確認するのがポイントです。
漫然と使っていれば、時間ばかりが無意味に流れていきます。
最後まで自分のペースを優先することが基本中の基本ではないでしょうか。
今回、さまざまな内容にわたって書きました。
ここに示したことの内容を自分の言葉で論じることが、小論文では大切です。
特に経験の部分で、自分がどのような利益を得、反対にこのようなマイナス面に出会ったという話を、短くていいですから、わかりやすく付け加えることです。
それだけで、かなり個人の持つ資質を強調できるのではないでしょうか。
さまざまな視点をうまく組み合わせて、書き込んでみてください。
まず書いてみることです。
難しいのはよく理解しています。
だからこそ、練習が大切なのです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。