都心で生まれたせいか、ほとんど土になじんだことがない。
家庭菜園などはもっての他でしたね。
小学校の校庭はコンクリートだったかアスファルトだったか。
とにかく土なんか、どこにもなかった。
いつも家やビルの中にいた気がします。
土に触れるのは神社の境内ぐらいだったかな。
砂遊びもあまりしなかった。
どろんこになるという経験もほとんどありません。
夏休みの課題でじゃがいもを育てたことがあったな。
ミカン箱に土を入れて、あとはお水をやるだけ。
結局、ちいさなのしかとれなかった。
だから大地讃頌なんていう言葉にすごく憧れます。
裏の庭にネギやトマトを植えたりするような暮らしとは無縁でした。
それが今でも続いている。
そんなに憧れていたのなら、どこかに農園でも借りてやればいいんだけどね。
根性がない。
全くなんにも知りません。
葉っぱをみて、少しずつ名前を覚えたものの、身についてない。
篤農家と呼ばれる人の顔のしわには憧れるけど。
彼らは自然の怖さを知っているからね。
どんなに頑張っても台風がきたら、それで終わり。
果実も落ちる。
そういうギリギリの生活をしたことがありません。
だから、引け目を感じる。
今にいたるまで本を読むだけで、理屈ばかりを呟くことになってしまったのです。
畑の畝の作り方も、種の撒き方もこれから学ぶには少し遅いかな。
今からでもやってみようか。
星の王子様じゃないけれど、同じチューリップにお水をあげるだけで、それはかけがえのない自分の花になるんだからね。
プランターでミニトマトくらいから始めるのが、ちょうどいいのかも。
都心から引っ越して少し郊外の小学校に通い始めた時、校庭がむき出しの土だったことに、本当に驚いたのです。
そんな子だった。