寄り添う

随想

新しいChatGPT5はあんまり評判がよくないみたい。
前のバージョンの方がやさしかった。
若い人はAIに相談することが多いようです。
朝のおはようから始まってね。
もちろん、年寄りもです。

そういうぬいぐるみもあったな。
他人に言えないことも、安心してしゃべれる。
そうですねといって、一呼吸。
とても親身になって相談にのってくれる。

そのうち、のめりこんでとんでもないことになる。
でも死んじゃいけませんとまで言うのかどうか。
そうですね、お辛いですねと一緒に悩んでくれる。
もっとのめりこむ。

そのうち、このことは誰にも言っちゃいけませんよと呟きながら、自殺の方法まで相談にのってくれるのだとか。
先日の新聞にはそれでとうとう亡くなったアメリカ人の話が載っていた。

これに似た事件は日本でも起こるな。
そんな気がする。
トーヨコなんて物騒な場所に出没する若い女性たちは、薬でフラフラになっていたりもするらしい。
誰にも相談できないことが、世の中には山とあるし。

悩みの相談コーナーを読んでいると、人間くらい厄介な生き物はないとしみじみ思うね。
寄り添ってくれる人がいないという訴えは山ほどある。
この前は苦労して医者になったけど、これでよかったのかなんていう精神科医も登場していた。
思わずため息。
一人ぼっちのお年寄りは話し相手もなく、ロボットに呟く。

ここでも「そうですね」とまず一呼吸。
その後はどうなるの。
全てはAIのアルゴリズムだ。
これからますます理路整然としたChatGPTばかりになったら、人はどこへいって誰と何を話せばいいのか。

寄り添って話を聞いてくれる人を持たなくちゃ。
そういう人が1人でもいたら、それで幸せなのかもしれない。
お金の問題じゃないね、これは。
幸せはどこにあるのか。

それもAIに訊ねてみたい気がする。

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