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名人 志ん生、そして志ん朝 小林信彦 朝日新聞 2003年1月

2001年10月1日、現代の名人、古今亭志ん朝が亡くなりました。その日著者を突然襲った大きな喪失感から、この本は始まります。もうこれで東京の落語は終わったと感じたと小林さんは書いています。 志ん朝の発する言葉にはいさぎよさと美しさがありまし...
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私が生きたふたつの「日本」 篠田正浩 五月書房 2003年6月

映画監督、篠田正浩が現在の心境をありのままに綴ったエッセイです。 その内容は驚くほどに暗いものです。皇国少年として生きた時代と現在とを比較しながら、つい最近公開したばかりの作品「スパイ・ゾルゲ」についても言及しています。 自分がどのような血...
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ザンビア通信 沼崎義夫 勉誠出版 2002年12月

著者はJICAの医療協力専門家として派遣されたウィルス学者です。実はぼく自身、ザンビア大学を訪問した時、お目にかかったことがあります。 本書はアフリカの医療最前線で長い間働いてきた人ならではの、内容にあふれています。エイズ患者が20%を超え...
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海辺のカフカ 村上春樹 新潮社 2002年9月

『1973年のピンボール』『風の歌を聴け』でデビューして以来、この作家とは、随分長くつきあってきました。ほぼ同じ世代に属しています。 『ノルウェイの森』『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』あたりまでは、かなり熱心に読んだ記憶があり...
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映画と私 羽田澄子 晶文社 2002年3月

映画監督、羽田澄子さんが自分の撮った作品の解説をした本です。偶然のように岩波に勤めることになった経緯、その後羽仁進の元で助監督をした後、はじめて独り立ちしてメガホンをとるあたりの話は、大変面白いです。 それまでの映画とは違う、自分で納得した...
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喜劇人に花束を 小林信彦 新潮社 1996年4月

本棚の奥から引っ張り出して再読しました。このところ、喜劇に対する興味が尽きません。元々、ぼくの資質の中にそうしたものを好む傾向が強いものと思われます。 登場するのは植木等、藤山寛美、伊東四朗です。なかでも一番興味があったのは、ぼく自身の血と...
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顔 横山秀夫 徳間書店 2002年10月

著者の小説はこれで3冊目です。『動機』に続いて『半落ち』。この『半落ち』という作品は、その設定に少し無理があるのではないかと感じました。脊髄液の移植というテーマはかなり医学的にも、問題があったようです。 今回は婦人警察官が主人公です。犯人の...
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すべては一杯のコーヒーから 松田公太 (新潮社) 2002年5月

筆者はコーヒー店「タリーズ」の取締役社長です。父親の仕事の関係で、セネガル、アメリカ生活の後、日本に戻りました。 その後、三和銀行に就職したものの、どうしても事業を展開したく、数年で退職します。 やはり日本以外の土地で長く生活していたことが...
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坂本一亀とその時代 田邊園子 作品社 2003年6月

副題に「伝説の編集者」とあります。まさに坂本一亀は従来にないタイプの編集者でした。彼が河出書房にいる間、発掘した作家の名前をあげれば、そのことがよくわかるはずです。 三島由紀夫『仮面の告白』、小田実『何でも見てやろう』、高橋和巳『悲の器』、...
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テレビの黄金時代 小林信彦 文藝春秋 2002年11月

月刊「文藝春秋」に連載していた時から、楽しみに読んでいました。今度まとまった形で読みなおし、今さらのように草創期のテレビはすごかったという印象を強くしたものです。 一言でいえば、この時期のテレビにはたくさんの強者がいました。日本テレビの井原...
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定年、気がつけば二人旅 吉武輝子 ミネルヴァ書房 2000年9月

評論家、吉武輝子がある時、豪華客船上で行われた講演会に講師として招かれます。タイトルは「定年後の夫の生き方、妻の生き方」というものでした。 そこに集まったのは定年を間近にした360人の夫婦。これはその時出会った多くの人々の軌跡を描いたルポと...
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光の教会 安藤忠雄の現場 平松剛 建築資料研究社 2000年12月

建築家、安藤忠雄が大阪茨木市に建てた「光の教会」はあまりにも有名です。中央の壁が十字に切られ、そこから外光が漏れて入ってくるのです。 この建築プランを作り出し、それを実際に施工するまでの様子をドキュメントにしたのが、この本です。 本当に低額...