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月は東に 森本哲郎 新潮社 1992年6月

タイトルからわかる通り、蕪村について書かれた本です。しかしそれだけではありません。森本さんの漱石好きな面が、あちこちに顔をのぞかせています。 副題に蕪村の夢、漱石の幻とあるごとく、これは二人の横顔を別の面から見た評論になっています。 漱石は...
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俳句という遊び 小林恭二 岩波書店 1991年7月

随分昔に読んだ本をまた引っ張り出しました。読後感からいえば、あの頃よりもずっと面白いです。これだから本というものは不思議なものなのです。 著者は安部公房によく似たタッチの『電話男』という小説で突然文壇に躍り出た人です。かなり前なので、もうほ...
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二度生きる 金子兜太 チクマ秀版社 1994年12月

俳人金子兜太の自伝です。彼は子供の頃から俳句と親しみました。父が大の愛好家だったのです。その影響もあって大学時代も経済の勉強をするかたわら、俳句を詠んでいたといいます。卒業後、日銀に入り、3日後には休職、そのまま激戦地トラック島へ送られます...
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輝く日の宮 丸谷才一 講談社 2003年6月

丸谷才一の本は10年ぶりだそうです。前作の『女ざかり』は新聞社の女性論説委員の話で面白いものでした。その後、吉永さゆり主演の映画にもなり、話題作となりました。しかしあれからもう10年が経過したとはとても思えません。 それほどに10年という歳...
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舞台は語る 扇田昭彦 集英社 2002年8月

演劇評論家、扇田昭彦による、現代演劇史の試みです。著者はかつて岩波新書で『日本の現代演劇』というすぐれた解説書を書きました。今回のはそれに続くものと考えていいでしょう。 ただし前回のものが、それぞれの時間軸にそって書かれていたのに比べ、この...
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棟梁一代記 家柄木清光 講談社 2000年3月

筆者は宮大工です。家柄木と書いてえがらきと読みます。岐阜県に生まれたこともあり、幼い頃から合掌造りの家に親しんできました。 その縁からか、古い合掌造りの家の部材を移築し、保存するという仕事にたずさわるようになります。 今までに外国をふくめ、...
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となりの韓国人 黒田福美 講談社 2003年7月

著者は芸能界きっての韓国通です。ソウルオリンピックの時、現地からの番組を企画したり、2002年のワールドカップでも組織委員会の理事として活躍しました。 また独学でハングルを習得したという努力の人でもあります。写真をみれば、きっと誰でも心当た...
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韓国の若者を知りたい 水野俊平 岩波書店 2003年5月

著者は現在韓国の大学で日本語の講師をしている人です。いわば外からの目で韓国の若者像を分析したところが、大変新鮮でした。 隣の国、韓国は一見同じような文化圏に属していますが、一歩中へ入ると、その習慣、風俗は日本と驚くほど違います。サッカーのワ...
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愛する源氏物語 俵万智 文藝春秋 2003年7月

源氏物語には実に795首もの和歌が入っています。それはすべて紫式部によって詠われたものなのです。彼女はその人物になりきって、時には上手に、時にはみじめなくらい下手な歌をつくりました。 それぞれがすべて作者の手の内にあったわけです。このことに...
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飢えた孔雀 村野晃一 慶応義塾大学出版会 2000年12月

詩人、村野四郎は戦後詩の一時代を確立した人です。この本は彼の息子がその父の生き様を真横で見て、まとめたエッセイです。 詩人がどのようにして、詩を紡ぎ出したのか、また実生活ではどういう父であったのかということを、詩を中心に据えてまとめられてい...
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落語藝談 暉峻康隆 小学館 1998年12月

江戸文学の研究で有名な早稲田の暉峻先生によるインタビューです。六代目三遊亭円生、五代目柳家小さん、八代目桂文楽、八代目林家正蔵を相手に丁々発止としたいい、対談が続きます。ちなみにこの時、既に五代目古今亭志ん生は、具合が悪くて、対談ができなか...
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なぜイタリア人は幸せなのか 山下史路 毎日新聞 2003年6月

この本の著者はフィレンツェにとうとう家を買ってしまいます。冒頭、その場面から始まることで、イタリアという国の不動産に対する文化の違いにまず脅かされます。 石でできた家は最低でも100年、管理さえよければ数百年は持ちます。だから彼らは一生の間...