【いますぐ書け・堀井憲一郎】文章は身体から絞り出されるものだ【小論文】

小論文

いますぐ書け

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文の書き方について、たくさんのヒントを考えてみました。

つい先日、何気なく、この本を手にとったのです。

ちくま新書の一冊です。

今から10年も前に刊行されたと奥書にあります。

今までにどのくらいの人が読んだのでしょうか。

これはプロのライター用に向けて書かれた本です。

ぼく自身も雑誌社に勤めていたので、痛いところをつかれたなという感想を持ちました。

いちいち、もっともなのです。

そういう意味で反論の余地はありません。

書くことを仕事にするというのは、かなりつらいです。

読みとばされて、それで終わりというのが宿命です。

名作と言われている小説やエッセイも、それほどに命が長いというワケではありません。

それでも文章は次々と生まれています。

だから面白い。

単純にそう思います。

堀井氏の言葉はつぎの通りです。

プロは、とにかく読む

書く気があるなら、読む。

次々と読む。

あなたが何歳だろうと。

文章は、身体から絞り出されるものだ。立って踊りながら、書け。

この言葉を小論文を書こうとするあなたに贈ります。

どんなことがあっても上手になりたいものなら、実践してください。

ひたすら読んで、書き続ける

理屈ではありません。

最初はとにかく他の人の書いた文章をひたすら読むのです。

読まない人はうまくなりません。

断言します。

そんなに時間がないという人は、明らかにどこかで時間を無駄に使っています。

じっと胸に手をあてて、考えてみてください。

これだけを守れば必ず文章がうまくなるという鉄則を本の中から抜き書きします。

といっても少しだけ、小論文用にアレンジしました。

守れていれば〇をつけてください。

そうでなければ、そうなるように努力するしかありません。

その繰り返しです。

小論文の内容は実に複雑で多様です。

それでも乗り越えていこうとする人のところにだけ、栄冠はやってくるのです。

文章の書き方の基本については、今まで何本も記事を書きました。

それを守ってくれれば、いい文章になります。

いくら説明を聞いてもダメです。

自分で書いてみることです。

ポイントを自分の手に掴んだ生徒は、答案が完全に合格印になっています。

それまでのだるい文章が嘘のようにキビキビした、リズムのあるものに切り替わるのです。

どこにその秘訣があるのか。

小論文は特殊です。

彼の説く鉄則が全て当てはまるワケではありません。

つねに正しいと思われる答えが頭の上にあるからです。

受験論文の神との戦いだといえるでしょう。

それでもこの本に登場する鉄則は十分に使えます。

自分にこれができるかどうかではありません。

やらなくてはならない。

ただ、それだけのことです。

以下、著者の文章を利用しながら、アレンジしたものをご紹介します。

紙に書いて、机の前に貼っておくのも1つの手ですね。

小論文の鉄則

1)ただ褒めてもらいたいだけの文章を書かない。

2)自分の書いた文章を、そのまま受け入れて欲しいと思ってはならない。

3)さほど熱心でない採点者をこちらに振り向かせる工夫が大切である。

4)採点者のことを、いつも考える。

5)自分の主張をいくらか脚色しても、採点者の評価を得ようとねばる。

6)自己表現だけをしたいと思ってはならない。経験談をいい気になって書かない。

7)採点者の生きている時間を使って、自分の書いたものを読んでもらうのだから、読んだあとに、読む前と何かが変わったと思ってもらう文章を書く。

8)日常のエッセイ(例えば動物の動作、散歩道での挨拶、冬の朝の風景など)には、さりげなく人を変えるための文章が潜んでいる。これを身体の芯に沁みこませること。

9)採点者に向けてターゲットを絞り、本気で書く。

10)仮説を立てて、次にその内容を説明する方法もある。

11)常に何か変だと考え、その変だを楽しみながら、たくさんストックしておく。

12)文章を強く言い切り、断定で書く。

13)文章末に、「 思う 」「感じる」「考える」 を極力入れない。

14)断定するのは読む人のため、断定しないのは自己弁護のため。だから言い切れないなら書かない。

15)結論を考え抜いてから書く。

16)例え経験を書くときでも時間軸、時系列に沿ってダラダラ書かない。

17)一人称「私」を冒頭に持っていくような文章を書かない、

18)いま持っているものだけで戦う。

19)文章の仕上げをいつも頭の中でする。削れ。足すことはするな。

20)全てオリジナルで書くなどいうことは考えない。先人の文章に1つだけオリジナルの視点を示せばいい。

21)書いている最中に新たなアイディアが浮かんでくることもある。

22)文章は勢いが大事である。

相手の立場に立って書く

最も大切なことは何かといえば、採点者の立場を重視することです。

彼らは何を求めているのか。

たくさんの答案の中から、これだと言える文章はどのようなものなのでしょうか。

自己主張など誰も求めていません。

欲しいのは掴み、意外性、調査、強い主張なのです。

これらが備わっていれば採点者は高い評価をします。

SEVENHEADS / Pixabay

他の答案とは明らかに違う爽やかさが欲しいのです。

いい文章を書くための唯一の方法は、たくさんの文章を読むことです。

熱を持って書くという作業を続けいくと、必ず「誰のために」「何のために」「なぜ私が」今これを書いているのかという問いにぶつかります。

そこで採点者との対話が始まるのです。

そんなことは考えてみればあたりまえのことです。

しかしこれがなかなかできない。

無理に背伸びをしても、必ず見破られます。

今の力で最大限書ききる。

最後は意識の戦いなのかもしれません。

あとはとにかく書く、ひたすら書くという作業の継続です。

騙されたと言わないで、やってみてください。

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そこから新しい芽が出てくるのです。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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