【一文一義・貫徹】短文をうまく重ねられる人だけが小論文の勝者になれる

小論文

文章を書くのは難しい

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

年内に進学する大学を決めたいと呟いていたのも、ほんの少し前でしたね

もう入学する学校は決まりましたか。

今年は総合型入試が広く行われました。

もちろん、まだ全部終わったわけではありません。

高校の推薦入試もこれからです。

東京ではあと一ヵ月後です。

国公立大学の試験ももう少し先です。

入学へのハードルが毎年、少しずつ変化していますね。

少子化の波がおさまりません。

定員に満たない大学が、目に見えて増えてきました。

かつて難関と言われた女子大学も、今では随分と入学しやすくなりました。

しかしどうしても多くの生徒が入りたいと希望する一部の大学は、以前よりも確実に難しくなっています。

付属の高校や指定校推薦で、半分近い定員を埋めてしまう大学も多いのです。

一般入試で、残りのワクに滑り込むのは容易ではありません。

国語の試験のかわりに、小論文を課す大学もありますね。

どうしたらうまく書けるようになるのか。

多くの生徒が12月に入って、添削してほしいと答案をもってくるようになりました。

毎日、数人の論文をなおし、解説をしています。

最初の数行を読めば、どの程度の実力があるのか、ある程度わかります。

それくらい、文章を書くことは難しいのです。

文は生きている

文章は怖いです。

ある意味、その人の分身ですね。

あらゆる現象をどういう視点から見ているのかを、赤裸々に告白しているようなものです。

そこで使われている言葉の質も問われます。

無理に難しい表現を使えばいいというものではありません。

その文章にマッチした最適の言葉を選べるかというのも、大切な要素なのです。

文章は骨格が基本です。

きちんした構造の文章が書けないと、採点者にすぐ見抜かれます。

1番、最初にチェックするのは、論理の整合性です。

主語があり、述語があるというのは当たり前のことです。

誰が読んでも、ストレートに頭に入らなければなりません。

しかしこれが、そう簡単なことではないのです。

最も悪いパターンは、文章が無駄に長いものです。

字数にして80字以上ある文はNGです。

原稿用紙でいえば、20字詰めで4行を超えます。

もちろん、書いた本人は、これでいいと思っているのです。

だからこそ、話は厄介です。

初心者ほど、なぜか長い文を書く傾向があります。

頭の中が十分に整理されていない証拠です。

ぼくが添削する時は、80字あったら、それを2つに区切ります。

その2つの文章を接続詞で繋ぐのです。

文章は不必要に長くしない。

これが最大の鉄則です。

一文一義主義

このことは今までにも何度か書きました。

過去の記事にも、この内容に言及したものがあります。

しかし何度言っても、なおりませんね。

一文はわかるでしょう。

1つのセンテンスです。

一義とは何か。

1つの述部です。

1つの意味です。

つまり主語がどのようであるのかを、粛々と伝えればいいのです。

それなのに初心者は「私は」を頭につけ、最後に「思う」を連発するのです。

「私は…思う」で挟まないと、文章を読んでくれる人がいないと信じている宗教の信者みたいです。

サンドイッチ型の典型的な悪文です。

ぼくはどんどん消してしまいます。

「思う」「思います」をつけないと文にならないと考えている人は、即刻その思想から自由になってください。

geralt / Pixabay

誰もが「思っている」から文を書いているのです。

そんなことはみんな知っています。

だから書いてはいけません。

全てカットしてください。

文書き直しを命じると、生徒は翌日、「思う」をカットした答案を持ってきます。

感想は「すっきりして、読みやすくなった」というものです。

短い文章で、「AはBである」と書きましょう。

それ以外に余計な形容詞を連ねたりしないことです。

せっかくの勢いが全て消されてしまいます。

風が吹き抜ける文章

いい文をたくさん読んでいる人は、文章にセンスがありますね。

あえて例えれば、風が吹いているのです。

吹き抜けているといった方がいいかもしれません。

段落分けが正確なのか。

句読点が見事に打たれているのか。

それだけではありません。

視界がいいのです。

きちんと内容が整理されていると、その間に風が吹き抜けます。

実に読みやすいのです。

その反対はわかりますね。

ゴミゴミしていて、なんとも風通しが悪い。

何が言いたいのか、読んでいてもよくわかりません。

Free-Photos / Pixabay

視点が定まっていないのです。

どこから、その事象を眺めているのかを、採点者に知ってもらわなければなりません。

しかしそれができない。

見えていないから、なんとなく同じ言葉を何度も使う。

同じフレーズが繰り返されると、読者は飽きてしまいます。

言い換えのセンスが、絶対に必要です。

語彙力がある人には、勝てません。

キーワードが何度も登場する文章は死んでいます。

もう1度練習をしてください。

声に出して読んでみてください。

きちんと内容が伝わりますか。

首をかしげるようなら、失敗です。

最後まできちんと真っすぐに論理が突き抜けたかどうか。

それをチェックしましょう。

時間はありません。

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みなさんの努力あるのみです。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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