どうしても書けない
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
いよいよ入試本番ですね。
勉強はどれくらい進んだのでしょうか。
小論文の試験は全く先が読めませんからね。
課題文やグラフの意味をきちんと把握して、文章が自然に書けるようになっていれば、何も問題はありません。
しかしそれがどうしてもできない時があります。
どこから手をつけていいのかわからないという場合です。
全く考えたこともないテーマが、突然出題されることもあります。
あなたが受験する専攻分野に特化した問題ばかりが、出るワケではありません。
今までに過去問を研究し、かなりの確率で点数のとれる文章の書き方を学んできたはずです。
しかしそれでも、好事魔多しの譬えもあります。
従来の出題方式とは全く違う問題が出ることもあります。
毎年、多くの高校や大学の問題をチェックしていても、突然変異したような難問にぶつかることもあるのです。
課題文がやたらと長くなったりするケース見てきました。
読むだけでかなりの時間を費やさなければならないのです。
問題をみた途端、ガックリきます。
これならば、むしろ国語の試験を受けた方がよかったと後悔しても、もう後の祭りです。
多かれ少なかれ、誰もが似たような経験を持っていることでしょう。
いずれにしても、制限字数までは書かなければなりません。
その反対に、問題文が極端に短くなる場合もあります。
いわゆる箴言に似た文章が出題され、それに対するあなたの考えをまとめなさいといったタイプの問題です。
これはこれで苦しいですね。
何もヒントがないのです。
自分の持っているものの中から、その文章に呼応する内容の文を組み立てなければなりません。
グラフの読み取りの場合
さらにいえば、グラフの読み取り問題もあります。
今まで出題されたこともなかったのに、突然いくつものグラフが出て、それに対する分析力を問われます。
内容も経済や、政治、教育、文化だけではありません。
出題者側も、毎年工夫を重ねています。
その労苦は並々のものではありません。
しかし受験生の立場からすれば、勘弁してくれということになります。
だからといって、文句を言っても仕方がありません。
とにかく合格するためには何かを書かなければならないのです。
具体的にはどうすればいいのか。
テーマにそって自然に文章書ける人ならば、ノープロブレムです。
大切なのはその反対の場合です。
どうやって制限字数の800字を埋めるのか。
それに尽きます。
あなたならどうしますか。
ここでしばらく小休止したいところです。
しかしそんな暢気なことを言ってる場合ではありません。
小論文の最大のヒントは課題文とグラフなのです。
どちらも宝の宝庫といってもいいでしょう。
差がどこにあるのか
課題文については以前、キーワードに着目する話を書きました。
別の記事にあります。
ご一読ください。
ではグラフや図の場合はどうなるのか。
ポイントは大きな差のあるところだけを見るのです。
いくら同じものを眺めていても、いいアイデアは出てこないと思います。
時間は刻々と過ぎていきます。
焦ればあせるほど、何も考えられなくなってしまうのです。
グラフをみたら、極端に差のある箇所に、すべての秘密が隠されていると考えましょう。
どうしてそんなに差が出るのか。
一心不乱に考えるのです。
さらに課題文があったら、そこに出てくるキーワードと無理にでも繋ぐのです。
具体例は解答になりにくいです。
あくまでも読解のための参考になればいいというレベルです。
それ以上には絶対になりません。
具体例の部分を消去して、抽象度の高い内容を押さえるのです。
だいたいのケースでは、今のままでは山積された問題を解決することはできない。
改革したいと述べているケースが多いのです。
その要旨を最初にまとめてしまいましょう。
短文でこういうことを言っているのだ。
それに対して、自分の賛否を書きます。
無理してはっきり書けない時は、筆者の論点のここがダメだと書く場合と、ここがいいと書く場合の2通りに分けます。
これで十分です。
段落の型にはめる
600~800字程度の場合は3段落あれば十分です。
4段落にする場合は結論の前を2つに分けて、より細かく分析するケースです。
型は決まっています。
この通りになるように文を組み立ててください。
今までにも何度かこのパターンは示してきました。
これ以外の方法をとろうとすると、結局論旨がメチャクチャになります。
このパターンを真似して書きましょう。
最初はとにかく問題提起です。
課題文を軽くまとめ、グラフの場合は大きな差があるところを示し、どこにこの問題の核があるのかをきちんと述べます。
これで方向が決まりました。
その次に自分の考えを述べます。
筆者に論点についての賛否を示したら、なぜなのかを徹底的に書きます。
その時に筆者の人間性を真正面から、取り上げて否定するようなことをしてはいけません。
嫌いだから嫌いだ式の感情論は最悪です。
あくまでも論理で押すこと。
なぜなのかの部分が採点のポイントです。
ここまできたら、最後にではどうしたらいいのかという改善点、改革案を示します。
少しでもいいですから、解決するための意気込みを示してください。
ここで示す勢いはとても大切です。
文章にパワーがあると、採点者はいい気持になります。
そして最後にもう1度、結論をまとめます。
これでなんとか字数いっぱいまで、まとめきれます。
最初の問題提起がうまくいくと、案外あとはすんなりと書けるものです。
全体のバランスが大切です。
段落の時数をある程度決めてください。
それにそって書き上げていけば、うまくまとまります。
絶対に書ききってください。
余白をつくらないこと。
真っ白な答案のままでは、絶対に合格しません。
マス目を埋めてください。
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最後まで諦めてはいけません。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。