時代を牽引するキーワード
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
新しい年が始まりました。
ロシアによるウクライナ侵攻が終わる気配は一向にありません。
どこまで突き進むのか。
予断ができないのです。
その一方で、世界は次の科学テクノロジーを探しています。
今年、ヨーロッパ経済の不況が心配される中、アメリカも日本もどこへいけばいいのか、悩んでいます。
その象徴がGAFAですね。
右肩上がりでの成長に陰りが出てきました。
ITを旗印に世界を駆け上った産業にも、やはり終焉は訪れるのでしょうか。
これからの時代を牽引するのはなにか。
世界は固唾をのんで見守っています。
当然、小論文の課題にも直結する内容です。
今という時代を離れて、学問の方向性が存在するワケではありません。
いつだって、テーマは現在なのです。
この場所をきちんと特定できないような学問に、意味があるのかという根本的な問題もあります。
今年、1番のキーワードはなんでしょうか。
あなたも考えてください。
それが最大のトピックスになります。
いろいろ頭を悩ませてみると、やはりSDGsに尽きるのかもしれません。
その中でも特筆すべきは環境問題です。
CO2削減の問題が最重要課題なのです。
地球温暖化の流れが、人類をはじめとして、全ての生物を苦しめています。
グリーンテック
今年のキーワードの1つに「グリーンテック」があります。
環境に優しい製品やサービスを生み出すための、科学テクノロジーを示す用語です。
これだけではあまりにも漠然としていますね。
エネルギーの消費に関する技術とでもいえばいいでしょうか。
環境への悪影響を少しでも削減するための科学を意味します。
企業の社会的責任といえば、今までは大量に生産し消費する。
そのための部材を低コストで生み出す。
その後の廃棄処理にまでは、頭が回らなかったのです。
とにかく最低のコストで利潤をあげ、企業を成長させる。
それが全てでした。
しかし公害の大量発生から、やがてクリーンな環境を手にするためには何をすればいいのかという発想が生まれました。
今はそれだけではもう不十分です。
クリーンの中身が検証されることになったのです。
環境を悪化させるなどというレベルではありません。
元に戻す過程が重要視されているのです。
以前のCO2レベルを常時キープするには、何をすればいいのか。
それと同時に運用のパフォーマンスを死守する。
非常に難しいテクノロジーの要求される時代になりました。
社会的責任
アメリカを筆頭に、グリーンテック市場に参入する新規企業は増える一方です。
投資資金も急激に増えています。
これからの成長余力はここにしかないと、見極めた末のアクションなのでしょう。
それと同時に企業の社会的責任も問われています。
難しい言葉ですが「Corporate Social Responsibility」という表現です。
企業はもう利益を生み出すための組織ではありません。
そのレベルの集団では、長く持続することが不可能なのです。
もちろん環境だけでなく、人権の問題にも深く関与せざるを得ません。
「ユニクロ」や「無印良品」などの例をひけば、すぐに理解ができるでしょう。
中国の新疆ウイグル自治区で生産された綿花を、商品に使っていたのではないかという問題を覚えていますか。
先ごろ、少数民族への弾圧をめぐる欧米と中国の見解が、真っ向から対立しました。
すぐにこの地区の綿花を一切使用しないと言明したのは、H&Mやナイキなどです。
人権侵害の現実が、あっという間に世界のブランドに影響を与える時代なのです。
ユニクロも世界の労働規約にのっとった企業とのみ、取引を行うと発言しました。
社会的な責任を甘くみていると、とんでもないしっぺ返しがかえってきます。
このポイントこそがまさに企業の社会的責任なのです。
企業がやらなければいけない取り組みです。
当然ホワイトな企業には潤沢な資金が集まります。
長期的な視点でみれば、事業活動の発展にとって有効であるのは、誰の目にも明らかです。
今後グリーンテックを前面に出す企業が、今以上に多くなると考えられます。
SDGsとからめて、どのような会社が何を行おうとしているのか。
ある程度、把握しておく必要があります。
アメリカの会社はもちろん、日本の会社にもそうした可能性の芽をもつところはあるのか。
ある程度の知識を蓄えておくべきでしょう。
自然エネルギー
2030年が1つの目標となります。
完全カーボンフリーを達成するための方策を、ここで少し復習しておきましょう。
現在、電気自動車の開発は急ピッチです。
はやい段階で、ガソリンエンジンは姿を消すことになるでしょう。
さらに太陽、風力、地熱エネルギーをビジネスの場に活用する流れも加速します。
その際にもっとも必要なのは、電力の蓄積です。
天候の変化に対応するためには、効率のいい蓄電システムを開発しなければなりません。
電気自動車の成否もこの蓄電技術にかかっているのです。
日本にはどのような企業があるのでしょうか。
ここからはあなたが調べて、ある程度認識しておく必要があります。
知識が全くないのでは、内容の濃い文章が書けません。
その例の1つとしてよくあげられるのが「ユーグレナ」です。
名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
社是は「Sustainability First」です。
つまり持続可能であることです。
ミドリムシ(微細藻類ユーグレナ)の力で、ヘルスケア、バイオ燃料、飼料、バイオマスプラスチックなどをつくり上げる研究です。
ミドリムシの力で社会に貢献しています。
これからの企業の方向性の1つを示している稀有な例ですね。
新しい時代には新しい器が必要です。
企業の責任をどのように果たしていくのかという難しい問題に直面することが増えました。
それを無視して成長することは、できません。
小論文のテーマとして、今後この問題がでることはSDGsが切れ目なく出題されていることと大いに関係があります。
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世界がどこへ向かうかわからないだけに、その内容の重みを認識しておくことが非常に大切です。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。