【小論文・書き出し】誰もが悩んで自分の型を作り上げる【問題提起】

小論文

効率的に学ぶ

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

いよいよ、新学期になりました。

新しいスタートですね。

今年はやるぞと決めてかかるものですが、しばらくすると、本当に悩んでしまいます。

受験勉強は長丁場です。

ペースの配分が1番難しいですね。

夏休みまでが1つのサイクルです。

その間に受験校や受験の型を決めてください。

とくに推薦入試を希望している人は、学校の試験の成績がそのまま調査書に反映されます。

評定平均値がA段階(4.3~5.0)の中に入れば、推薦のチャンスはかなり広がります。

1学期の勉強をおざなりにしないこと。

それと同時に小論文の勉強です。

他の教科が幾つもありますから、それだけに特化することはできません。

なるべく効率的に学びましょう。

長い間添削をしてきましたが、1番多い質問が「書き出しはどうするのか」というものでした。

それくらい小論文の書き出しは難しいのです。

スタートで勢いがつけば、結論まではなんとか走れます。

課題文を読んだ。

内容は理解できた。

ポイントも見える。

筆者の考えに対して、疑問もあるが、おおむね賛成だとしましょう。

書き出しの方法

さてどこから始めたらいいのか。

最初に初心者がよくやる失敗をご紹介します。

それは何か。

課題文の引用が長いということです。

どうしてこうなってしまうのか、考えてみてください。

書き方の方法がわかっていないからです。

仕方がないので、まず誰もが課題文の要約し始めます。

つまり解説ですね。

要約をしてはいけないと言っているのではありません。

ダラダラとまとめるパターンがいけないのです。

全体の字数を眺めてください。

制限字数が800字だとしましょう。

そこへ200字の解説部分があったらどうですか。

採点者は課題文の要約が読みたいワケではありません。

受験生であるあなたの考えを知りたいのです。

それなのに、「筆者は~と言っている」式の文章を書かれたのではまたかと思うことでしょう。

よく読書感想文を書かせると、同じパターンのが多いですね。

読む本がないので、本屋さんへ行った。

そこでなんとなく面白そうなのがあったので、手にとった。

あらすじは次のようである。

ここからずっと登場人物の動きが説明してあるのです。

どうですか、あなたはこういう感想文を読みたいですか。

採点者の立場からいえば、最悪です。

評価は最も低いものになりますね。

最後まであらすじと解説だけだったら、どうにも評価のつけようがありません。

引用を手短に

採点者が知りたいのはあなたの考えです。

課題文を読んで、何が最もあなた自身を捉えたのかが知りたいのです。

そこに光る原石があるからです。

当然、賛成か反対かという意見も出てくるでしょう。

あるいは部分的にここには同意できるが、ここはダメというところがあるかもしれません。

それを含めて、自分がどういう立場で、この小論文を書くのかということを、読者に案内するのです。

この方向性で書きますよということをアピールするのです。

そうすれば当然、採点者はそのレールの上に乗ってくれます。

最初に文章の行き先を案内してください。

それが問題提起ということです。

当然、解説が必要な時もあります。

要約を絶対にするなとは言っていません。

ただし短く、最低限の字数にすること。

geralt / Pixabay

800字の問題で200字は取りすぎです。

最高で150字。

実際に書いてみればわかります。

20字の原稿用紙で7行。

できたら5行以内で発進しましょう。

ほんの僅かです。

短いですよ。

それでも耐えられる簡潔な文章力が必要です。

助走準備

問題提起は、なぜこの論点から始めるのかという自分のスタンスを示すところです。

その理由が当然、説明されなければなりませんね。

その部分がない文章は底のない最悪のものです。

問題提起がうまく書けていると、理由の説明がスムーズに進みます。

自分の体験から、筆者への共感や、反論も生まれてくるでしょう。

あるいは過去に読んだ本の内容や、人からの伝聞なども参考になり得ます。

採点者はこの部分を重点的にみます。

ここでほぼ全ての評価をするといっても過言ではありません。

つまり書き出しは、そのための準備段階なのです。

うまく助走ができれば、あとは跳ぶだけです。

遠くへいけるかどうかは、助走にかかっています。

全体のバランスをつねに考えてください。

字数のバランス、内容のバランス。

それぞれの課題文によって、内容は当然微妙にかわります。

いつもこのパターンに押し込めて書いてしまえば、うまくいくというものではありません。

誰もが筆者の論点に賛成するという文章もあります。

12019 / Pixabay

よほどひどい課題文でないかぎり、ある程度筆者の視点が優先するケースが多いのです。

そういう場合は、論点の中で足りないところを補うといった作戦が功を奏します。

もちろん、引用をしてもかまいません。

しかし字数を冷静に判断すること。

自分の考えを前面に出せないような文章では、評価は高くなりません。

とにかくあなた自身をアピールしてください。

最も大切なのは、問題文の指示を絶対に守ることです。

必要な言葉を指示されていたら、それを必ず入れること。

文体についてはたくさん記事を書きました。

である調の1択です。

主語は「私」のみ。

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今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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