【ジェンダーバイアス】SDGsの中で最もよく試験に出るテーマはこれ

小論文

ジェンダーバイアス

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はアンコンシャスバイアスの中で最もよく試験に出るジェンダーについて考えます。

この表現を聞いたことがありますか。

無意識の偏ったモノの見方のことです。

日本語では、「無意識の思い込み」「無意識バイアス」「無意識の偏見」など、様々に表現されています。

アンコンシャスバイアスは誰にでもあるものです。

それがジェンダーに絡むケースが大変多いのが実態です。

特にそれだけを「ジェンダーバイアス」と呼んでいます。

今年の入試にもたくさん出題されました。

それだけ意識下に深く浸透しているということなのでしょう。

無意識がゆえに、完全になくすことはできないものなのです。

逆にいえば、課題にしやすいとも言えます。

モノの見方が少しかわるだけで、男女の関係が変化します。

社会の構造もかわっていくのです。

特にSDGsにからんで、「ジェンダー」は頻繁に問題視されています。

普段、当たり前のように暮らしているときには見えないのです。

だから非常に厄介ですね。

よく行われるのが次のようなワークショップです。

自分自身が持っているジェンダーバイアスに気づくためのものです。

その代表的な例を次にあげてみます。

1度、読んだだけでこの文章の意味が理解できるでしょうか。

ワークショップ

以下の文章を読んで、場面を想像してみてください。

——————————

路上で交通事故がありました。

大型トラックがある男性とその息子をひいてしまったのです。

父親は即死でした。

息子は病院に運ばれました。

病院の外科医は『この子は私の息子』と悲鳴を上げました。

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どうでしょうか。

この状況を理解することができますか。

多くの人は父親は死んだはずなのに、と思ったのではないでしょうか。

普通の感覚で読めば、まさにその通りです。

しかしよく考えてみてください。

この医者が子供の母親だったとしたらどうですか。

実は彼女は外科医だったのです。 

この解釈にはもうすでにジェンダーバイアスが含まれてしまっています。

誰もが最初に登場した医師が男性だと考えたのではないでしょうか。

外科医=男性の図式が脳裡に描かれているのです。

だから、矛盾した発言だと感じるワケです。

単身赴任もそうですね。

「現在、親が単身赴任中です」と聞いた時、何を思い浮かべますか。

父親と考えるのが普通でしょう。

母親が単身赴任中であるという想像はなかなか出てきません。

それはなぜか。

つまり子育てをするのは女性の役割だというジェンダーバイアスが、沁みついているからです。

その後に出てくる台詞は多分「かわいそう」に違いありません。

何も考えずに発言する

わたしたちはたいていのことを自分の先入観で判断します。

お母さんが単身赴任中と聞いた時に、つい口にしてしまう言葉がその家族を傷つけることもあり得ます。

母親に対して尊敬の気持ちを抱いている家族も、どこかで自分の家の特殊性を意識するかもしれません。

世の中にはたくさんの性差別があります。

日本では男尊女卑の考え方が根強いですね。

男性は外で働き、妻子を食べさせるという観念が依然として強いです。

最近でこそ、女性も仕事をしていることが多いようです。

しかしどちらかといえば、非正規の仕事についているケースが圧倒的です。

男性の仕事を支える仕事に従事しているのです。

低賃金でも仕方がないというジェンダーバイアスが指摘されています。

ちなみに「リケジョ」という言葉を聞いたことがありますか。

これは理系の分野に進んだ女性をさした表現です。

一般に女性は文科系の学問が得意だと考えられがちです。

そこに「リケジョ」と呼ばれる差別が生じるのです。

テレビなどをみていても、女性はアシスタントの役割を担わされることが多いです。

男女の役割分担に対する固定観念が消えていません。

何かにつけて「女の子なのだから」という言葉が飛び交います。

女性のアナウンサーはタレント並みに扱われ、容姿を非常に重視されています。

メディアの発信の仕方にバイアスがかかっているのを、多くの女性はつよく意識しています。

そのことが最初から諦めになり、負のスパイラルにおちいることもあるのです。

無理をせずに暮らせればそれでいいという考え方に辿り着いてしまいます。

女の子だから、そこまで無理をして勉強をする必要はないという発言を聞くことがあります。

学問がかえって女性の地位を危うくすると考えている人も多いのです。

教育の現場

ジェンダーバイアスは社会の隅々でみられます。

しかし1番最初にそれを体感するのは、学校でなのです。

校内での役割分担の理想と現実には大きな差があります。

よく言われるのが生徒会や委員会の構成です。

生徒会長は男子生徒、副会長が女子生徒という学校もあります。

もちろん、それがいいなどと思ってはいないでしょう。

女子生徒でも堂々と立候補している現状もあります。

あるいは学級委員の構成を含め、各委員会の委員長は男子の占める割合が多いです。

校長の人事に関してはなんと80%が男性です。

進学も同様です。

少し前までは、女の子だから短大までという考え方もありました。

4年制大学に進学しなくていい。

理系には進学しない方が、結婚がしやすいなどという親もいます。

実際はそこまではっきりという親はほとんどいません。

それでも現実は理系で働いている女性の姿を目にする機会の少ないのが現実です。

無意識に役割分担の固定観念が働いていると考えるのが自然です。

言葉にならなくても、そういう視線があるということが大きなポイントなのです。

女性の政治家が少なく、議員としての活動が良く見えないというのも全く同じ構造です。

学校が「無意識のジェンダーバイアス」を教える場になっているとしたら、それは悲劇そのものです。

「乳がん」と聞いて、誰もが女性を思い浮かべます。

これもバイアスですね。

現実的には多くの問題が横たわっています。

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しかしそれを1つずつ潰していこうというのがSDGsの考え方の1つでもあるのです。

このテーマについて、もう少し自分で思索を深めてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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