国語力必須
みなさん、こんにちは、
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は本論の読み取り方について考えてみます。
小論文のテーマはどれも難しいですね。
内容を簡単には理解できません。
どこが核心なのか見えれば楽なんですけどね。
そのために色々なキーワードを学ばなくてはならないのです。
ただし言葉だけを覚えてもダメです。
その裏付けになるテーマをきちんと理解していなければ、なんにもなりません。
そのために必要なのは国語力です。
ひたすら現代文の入試問題を解いて、どこがポイントなのかを明確に把握しなくてはいけません。
しかし時間がかかります。
そんなに簡単にできるワケじゃありません。
特に哲学的なテーマなどは考えたこともない問題が出題されるとつらいですね。
あるいは時事的な問題などの場合、あらかじめ知識がないと、どこから考えたらいいのか。
見当をつけるのも大変なのです。
とにかくポイントを探し当てる能力が必要でしょう。
ダメな時はどうすればいいのか。
ちょっとあなた自身が文章を書くケースで考えてみて下さい。
読者がここからは難しくてついてこられないだろうなと思ったらどうしますか。
なんとか理解してもらうための方法です。
できるだけわかりやすく噛み砕いて説明する以外に手がありませんね。
そうです、例を示すのです。
こんな話がありますといって、身近にあったことなどを書きます。
なるほど、そういうことだったのかと読者は理解が深まるというワケです。
やさしくわかりやすく
なるべくやさしい言葉で、書きますよね。
それも、より具体的に示すはずです。
その後から本当に言いたい論点をまとめるのです。
難しいキーワードが並びます。
つまり抽象的な論説の部分です。
ここがキモなのです。
いわゆる小論文に特有な表現です。
ここをきちんとマスターしておかないと、絶対に先へは進めません。
内容を理解するために最も大切な表現の部分です。
よく教科書の後ろに載っている重要語句がそれです。
キーワード集などという参考書もあります。
この言葉はなぜこういう使い方をするのかといった説明がきちんとまとめてある本です。
これをマスターするのは苦しいです。
しかし頑張って自分のものにする必要があります。
英単語を覚えるのと同じです。
単語だけでは無理です。
必ずそこに関連付けられた内容がなければなりません。
アイデンティティと言われたら、それに対応した事象がすぐ頭に浮かびますか。
インフォームド・コンセントという表現があった時、その背景が見えますか。
それなしに小論文に挑むのは無茶です。
問題をたくさん解き、関係した本や新聞記事を読みましょう。
ネットでもかまいません。
しかしあまりにも依存しすぎると、自分の中で咀嚼する大切な時間を失います。
2022年度入試には何が出るのか
今年の入試問題を現在チェックしています。
近いうちにみなさんにお知らせすることができるでしょう。
もうしばらくお待ちください。
大きなポイントはSDGs関連ですね。
達成目標の2030年が今回のコロナ禍で先へ伸びたことは間違いありません。
達成目標は全部で17あります。
御存知ですか。
半分以上はすぐに言えるくらいでないと困ります。
最も基本的なのは貧困と飢餓の問題です。
自分には何ができるのかを考えましょう。
あなたに可能なことは何か。
夢物語をいくら書いても意味がありません。
具体的な提言ができるまで、問題を煮詰めてください。
そのテーマをどう考えたのかということがよくわかるからです。
しかし貧困と飢餓だけがメインテーマなのではありません。
海や陸の環境保全なども考えられます。
達成目標にはたくさんのターゲットがあって、それをチェックするだけでもかなりの勉強が必要です。
それぞれのテーマについて1つ1つ学び続けてください。
小論文の力がつくことは間違いありません。
環境といえば、プラスチックフリーと脱炭素社会でしょうね。
この2つのテーマは最有力です。
言葉として知っているだけではダメです。
その背景を深掘りして自分のものにしておいてください。
抽象的な部分が苦手
大多数の人は最も核心となる抽象的なパーツが苦手です。
特にスマホ世代の人たちは短い細切れの文しか読んでいません。
長い論理的な文脈の課題文にはアレルギー反応を示す生徒もいます。
それでも読まなくてはなりません。
鉛筆を持ってキーワードを探すのです。
多く使われている表現はどれか。
抽象的な核心部分によく出てくる言葉は何か。
問題の内容が目に浮かびますか。
筆者が何を語ろうとしているのかが理解できれば、それに対しての賛否を書けばいいのです。
もちろん、その後には理由の説明が絶対に必要です。
なぜそう思ったのか。
なんとなく得だから損だからではダメです。
この点とこの点がマイナスポイントだ。
なぜなら、これでは方法論か見えてこないからだ。
必ず「なぜなら」以下できちんと理由を説明してください。
採点者はそこを重点的にみます。
極端なことをいえば、他のところはあまり力を入れてみません。
理由説明の部分に実力の全てがあらわれるのです。
どうでしょうか。
書けそうですか。
さっそくチャレンジしてみましよう。
書いたら先生に添削してもらいましょう。
言葉だけをなおしてくれるだけでは頼りないです。
あなたの論理の骨組みをきちんと読み取り、分析してくれる先生を探しましょう。
それが何よりです。
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試験までまだ時間はあります。
日々の修練を着実に積んでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。