【小論文・格言】甘えのある文章は採点者に見破られると心得るべし

小論文

甘える文とは

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

昔からよく言われていることに、コインは丸いだけじゃないというのがあります。

これは四角形や六角形のお金があるという意味ではありません。

問題は1つの局面をどこから見るかということです。

つまり視点がどこかということなのです。

テーブルの上にコインを置いたとしましょう。

確かに丸いです。

では手に取ってみてください。

横の平たいところから眺めてみるとどうなりますか。

薄い長方形がそこに飛び出してきませんか。

確かに四角です。

つまりコインは丸いだけじゃないのです。

どの角度から見るかによって、コインは全く別の顔を持ちます。

ポイントは見る角度がいかに大切かということです。

どこから観察するかによって、事実は大きく変化します。

自分の視点が決まっていないと、とんでもないミスジャッジをすることになるのです。

それと同じように、これくらいの判断でいいだろうという甘えの問題もあります。

小論文のテーマは確かに難しいものばかりです。

一朝一夕に解決できるようなものではありません。

受験生がその場で解決策を提出できるようなものではないのです。

それくらいのことは採点者もよくわかっています。

だからといって、ではいい加減な解答でいいのかどうか。

いわゆる「成り行きに注目している」式の甘えた文章を書いたら、どうなるのか。

キーワードを探す

その結果は明らかでしょう。

ごくおざなりのつまらない論文にしかなりません。

繰り返しばかりが多くて、引用例もどこかで見たような内容のものばかり。

これでは少しも新鮮ではありません。

試みに災害というテーマを考えてみましょう。

キーワードはいくらでもあります。

地球温暖化、水資源の不足、食料供給問題、洪水、高波、感染症。

1つ1つあげていたらキリがありません。

特に今年は感染症の問題がピックアップされがちですが、他にいくらでも重要なテーマがあります。

それらをある角度から考えてみたとします。

しかし当然のことながら少し視点をずらすと、別の内容とかぶってきます。

その時に両者をどう調整して文章に仕立て上げていくのかということが問題になるのです。

本来なら、どっかりと腰を落ち着けて内容を精査していかなければなりません。

しかし甘えがあると、どうしてもそこまで踏み込めないのです。

これくらいでいいだろうと、勝手に見切りをつけてしまうとでもいえばいいのかもしれません。

1番もったいないところですね。

もう少し、その視点を深堀りすればという考えをどうして持てなかったのか。

採点者としては残念でなりません。

新しい地平に進むことができたはずなのです。

地球温暖化は当然穀物などの出来不出来にすぐ跳ね返ってきます。

もしかすると新しい感染症を生むという可能性もあります。

けっして遠い世界の話ではないのです。

つまり関連したテーマが多く出てくることになります。

それだけ視点の移動も可能になるのです。

最後まで諦めてはダメ

コインが丸いだけではないという認識の仕方を是非学んでください。

簡単には諦めないことです。

自分の知識を十分に駆使して文章を書くようにしましょう。

それが結局はインパクトのある文章を生み出す原動力になります。

採点者は常に解答の方向を探っています。

この書き方ならばここへ到達するだろうという期待を持っているのです。

それをきちんと把握しておかなければいけません。

必ず同じ地点でなくてもかまいません。

意外な方向への着地というのも当然あるでしょう。

しかし基本は採点者の意図した方向への結論づけが最も有効だと思われます。

解決の方向性が見えたら、その理由を提示しなければダメです。

ここでも甘えている受験生は「なぜなら~だからなのである」という理由を省いてしまう傾向があります。

そんなことはわかっているから当たり前だという論点です。

これは絶対にNGです。

どんなことがあっても理由まできちんとまとめあげること。

この基本を忘れないでください。

さらにできれば自分の提案の不備をあからさまにしてしまうという離れ業もあります。

短い試験時間で完璧な論文ができないのは当然です。

その際はどこまでこの論が有効で、その先がどう不完全であるのかをあらかじめ知らせてしまうことです。

そうか、ここまでちゃんと理解しているのかというアドバンテージを得ることができます。

採点者にも好感をもって迎えられるでしょう。

どんな手段でもかまいません。

背水の陣を敷く

甘えを見せずにギリギリまで進む。

この態度を身につけてください。

必ずうまくいきます。

それでもどうしても書けない時はどうするのか。

課題文が書き残したと思われる内容をさらに説明するという手で進んでください。

筆者が書けなかったことがあるはずです。

それを論じると、全体のバランスが崩れるので構成上やめたというケースがよくあります。

むしろ付加的に解説するのです。

キーワードをうまく散りばめながら、内容をより深めることができれば、それはかなりの得点になります。

しかし簡単ではありません。

当然、テーマの中にどっぷりと沈みこまなくてはならないからです。

その文章を書いた筆者の立場をしっかり後追いする気力がなくてはなりません。

国語力が必要です。

しかし試験が始まってしまったら、そんなことは言っていられませんね。

geralt / Pixabay

どんなことがあっても制限字数の90%は埋めなければならないのです。

絶体絶命です。

こういう時によく使われる言葉が「背水の陣」です。

この言葉は後ろに大河を背負って戦う時の意気込みをいったものです。

劉邦の部下の韓信が、川を背に陣地を敷き、勝利した時の形です。

つまり甘えを捨てろという教えです。

どんなことがあっても合格ラインに滑り込むために、あらゆる戦法をとってください。

それ以外に道はありません。

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吉報を待っています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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