【同調圧力】新型コロナがあぶり出す「世間」は島国根性の臨界点か?

学び

世間という魔物

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

新型コロナウィルスが蔓延して以後、この国の形が隋分変わってしまいました。

一時は外出不能に近かったですね。

それが次第に平常の姿に戻ってきたと思ったら、第2波の襲来です。

再び、不要不急の外出を控えてほしいということになりました。

しかし一方では経済を回さなければなりません。

旅行費用の1部を負担するといったキャンペーンもうまくいっているようには見えません。

補償金の額を積み上げただけでは、解決しないこともわかってきました。

経済を維持しながら、コロナと闘うことの難しさに、人々は翻弄され続けています。

オリンピックの開催もこのままでは危ういでしょう。

おそらくワクチンができない限り、難しいのではないかと思われます。

無観客でも強行するのか。

全てを白紙にするのか。

最終判断までにそれほど多くの時間が残されているとは思えません。

そんな中、とうとう最後まで陽性患者のいなかった岩手県にもコロナが発生してしまいました。

7月29日のニュースです。

それまで感染ゼロを誇っていたのもつかの間。

あっという間に県内だけでなく、世間に情報が広がったのです。

最初の陽性患者にはなりたくないという悲鳴のようなものが県内にはあふれていたと聞きます。

それでなくても地方の息苦しさは大都会に住んでいる人にはわかりません。

世間がとにかく狭いのです。

理屈ではありません。

隣近所のことを誰もがよく知っています。

そこへもってきて第1号コロナ陽性患者という響きがどのような意味をもつのか、想像が
つくでしょうか。

法律よりも怖い世間

一言でいえば同調圧力です。

みんなと同じにしなければ生き残れないのです。

society」 でも「community」でもない。

個人が確立していない日本の限界かもしれません。

冷静に考えれば、この病気にかかった人が悪いワケではありません。

むしろ被害者に近いのです。

誰でもがコロナウィルスを引き寄せる可能性に満ちています。

ribkhan / Pixabay

感染者第1号の情報は瞬く間に県内を走り回りました。

男性が勤務している会社がHP上で社員の感染を公表したのです。

すると、直後から「社員をクビにしろ」といった誹謗中傷の電話やメールが100件以上殺到したといいます。

30日夜にはサーバーがダウンしてしまいました。

圧倒的に激しいバッシングが起きたのです。

これは岩手の例ではありませんが、同じ東北のある県では感染者の父親が誠に申し訳ないといって自殺したということです。

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これがまさに令和を迎えた日本の出来事だと考えると、空恐ろしささえ感じます。

感染した本人でなく、父親がなぜ自死しなければならないのか。

「世間様に顔向けができない」という表現が日本語にはあります。

まさにこの例にピタリと照準をあてたような話です。

自粛警察と帰省

県境はいつもピリピリしているという話も聞きました。

冗談だとは思いますが、ゲートが設営され、他県のナンバープレートをつけていると、追い返されることもあるとか。

どうもまったくのギャグではないようです。

自粛警察の話題にも驚きました。

日本は法律よりも「世間」が強く作用するところのようです

理屈ではないのです。

同調圧力の強さは他の国にはみられないものの1つです。

mohamed_hassan / Pixabay

まるで学校の規則に似ています。

理屈を超えています。

ダメだといったらダメだということなのです。

お盆の季節を迎え、帰省をして墓参りをすることを考えている人も多いはずです。

しかしもし、自分がコロナウィルスを運んだということになったらどうなるのか。

実家の人たちは近所の人にあわせる顔がありません。

東京、大阪、愛知などから帰省すれば、当然新型コロナウイルス感染症をまき散らしにきたのかということになります。

それが原因で本格的に感染が拡大したら、地域医療はすぐに破壊されるでしょう。

新型コロナ差別が生まれます。

確かにコロナは怖いです。

しかしそれ以上に村八分が怖ろしいです。

誹謗中傷があっという間に広まることは間違いありません。

qimono / Pixabay

最悪の場合、そこで暮らせなくなるのです。

本来なら被害者であり、同情されてしかるべきなのに、迫害されるのです。

これが日本の体質です。

水俣病、ハンセン氏病などにかかった人たちも同じ目にあいました。

原爆病も同様です。

被害者が追われるという悲しい現実があります。

井上光晴の名作『地の群れ』などを読んでみると被爆者や被差別部落の実態が明らかになります。

里帰りなしの夏

昔と違って、現代はすぐに映像が出ます。

テレビ、ネットはその学校や会社の様子を流します。

見ればすぐにわかるのです。

それが世間の狭い地方の暮らしです。

どこの誰がどこの会社に勤めているかなどいうことは、地域の人ならみんな知っています。

家や個人が特定され壁に落書きをされることも珍しくありません。

個人情報というものがないと考えた方がいいでしょう。

最悪の場合、辞職ということも考えられます。

近所へのお詫び行脚くらいではとてもすみません。

最後は引っ越しでしょう。

となると、やはり今年の帰省は難しいと言わざるを得ないのです。

帰ってきてほしい気持ちもあるけれど、自分たちの立場も考えてほしいということでしょう。

SNSは誹謗中傷やデマを流しやすいシステムです。

匿名性がそれを裏で担保しているからです。

最近やっと名誉棄損の裁判判決がありました。

しかしこうしたケースはごく稀です。

不安につけこんでさまざまな誤情報を流す可能性もあります。

日本では法律などよりもずっと世間のルールの方が底堅いのです。

だから政治家もそこにはあえて首をつっこもうとはしません。

自粛も同様です。

いくら法律で決めてもムダです。

それ以前に世間が全てを牛耳るのです。

判決は裁判以前に決定しています。

現在マスクをしないで、飲食店などに入ることはできません。

電車に乗ろうとすれば、睨みつけられます。

まさに世間の風そのものなのです。

これを怖いと感じるか、当たり前だと感じるかは、それぞれの判断に待たなくてはなりません。

日本の社会が持っている構造そのものだと言っていいでしょう。

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今回のコロナウィルス蔓延は、その事実を再び明らかにしたともいえます。

都知事はついに帰省の自粛を呼びかける検討に入ったという記事も新聞には載っていました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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