チューター依頼
みなさん、こんにちは
元都立高校国語科教師を40年経験したすい喬です。
今日はなんとも不思議なタイトルです。
どうして今、スタディサプリの話なの。
それって小、中、高校生用のアプリでしょ。
そうです。
その通り。
スタディサプリはリクルートが開発したものすごい通信教育用の教材です。
スマホからもPCからも、月額1980円で見放題。
小中高全学年の科目をたったこれだけの均一料金で見られるなんていうのが、まずウソみたいじゃありませんか。
いや、高校生のコースの上に大学受験講座というのがあります。
だからコースは全部で4つ。
あらためて1980円。
ホントかなあと首をかしげちゃうね。
どうしてぼくがこのアプリをやることになったのかといえば、それはとある高校からチューターをやってくださいというオファーをいただいたからです。
授業についていけない生徒や、補習を望む生徒に国語を教えてあげてくれないかというのです。
頼まれたら頑張るというのがぼくのポリシーです。
知り合いの先生にお願いされたら、イヤとはいえません。
指定の日に出かけました。
なんとそこで紹介されたのがスタディサプリだったのです。
名前くらいは知っていたものの、内容に関してはさっぱり。
1年間、生徒と勉強するのも悪くないなと思いたったのが吉日ということでしょうか。
さっそく始めてみる気になりました。
1980円の魔力
どうしてやる気になったのかといえば、評論家佐藤優の影響が強いのです。
彼の勉強法の本を何冊か読んでいて、なにかとスタディサプリの話がでるのが気にはなっていました。
彼は世界史の勉強のために使ったとか。
わからないところを何度も復習して、頭に入れるにはこれが一番だと書いています。
たった1980円で教えてくれるところなんかないと断言されると、そんな気がしてきました。
ぼくの場合はもっと切羽詰まっています。
いよいよ高校へ通わなくてはいけません。
何を質問されるのか、あらかじめわかっているわけではないのです。
その場で突然、この文法の問題はどうなのかとか、この現代文の意味はなどと訊かれたら、あたふたするのが見えています。
頭の方が錆び付いているのもよくわかっていました。
人の名前もすぐに忘れてしまいます。
なんとも悲しい現実が山のように迫っていました。
さっそくアプリの画面を呼び出し、どんな講義があるのかを視聴。
大学受験講座国語だけに特化しました。
あれもこれもはとても無理。
現実にはそれだけを解くだけで、約1年間はたっぷりかかったのです。
ものすごい量の問題でした。
こうなったら片っ端から全部解いてやろうの気概とともに、まずは講師の首実検。
国語現代文は小柴大輔、柳生好之のお二人。古文、漢文は岡本梨奈講師。
コースは、スタンダードレベル、ハイレベル、トップレベルの3種類。
その他に各大学ごと、センター入試の問題、小論文などもあります。
高3のスタンダードだけでも、問題数が24。
これを1日に2問か3問ずつやっても全部を終わらせるのは容易なことではありません。
コースの全貌
高3コース
高3 トップ&ハイレベル現代文24 講義
高3 現代文<読解力・表現力養成編>6 講義
高3 現代文<重要語句・知識編>3 講義
高3 古文<文法編>12 講義
高3 スタンダードレベル古文<読解編>10 講義
高3 トップ&ハイレベル古文<読解編>12 講義
高3 古文<和歌・文学史編>8 講義
高3 スタンダードレベル漢文10 講義
高3 トップ&ハイレベル漢文12 講義
高3 小論文入門3 講義
高3 スタンダードレベル小論文10 講義
高3 スタンダードレベル漢文(チェックテスト)20 講義
大学受験コース
センター現代文対策講座10 講義
センター古文漢文対策講座10 講義
東京大学 現代文対策講座10 講義
京都大学 現代文対策講座10 講義
早稲田大学 現代文対策講座6 講義
早稲田大学 古文対策講座5 講義
慶應義塾大学 小論文対策講座8 講義
関東難関私大 現代文対策講座5 講義
関東難関私大 古文対策講座5 講義
関西難関私大 古文対策講座7 講義
私大 英語対策講座6 講義
センター入試問題コース
【センター問題集 国語】 現代文(小説)9 講義
【センター問題集 国語】 古文9 講義
【センター問題集 国語】 漢文9 講義
まず問題を1問印刷。
プリンターさえあれば、いくらでも印刷は可能です。
テキストだけ別売でも販売しているとか。
しかし自分でいくらでも書き込めるので、結局最後までプリンターに頼りました。
全部の問題が終わったときは、机の脇にうずたかく積み上げられ、それは壮観なものでした。
今でも赤いペンの入った答案は全てとってあります。
高3スタンダードの現代文から始めたのが昨年の4月。
始めてみて講師との相性が大切だと気づきました。
自分にあっているかどうかで、全てがきまるのではないでしょうか。
小柴大輔という講師には独特のクセがあります。
好きになるか、嫌いになるか。
それがポイントですね。
文章をじっくりと読み込んで、問題文の脇に線をひきながら、要点をおさえていきます。
スタンダードは入試問題の中では一番やさしいレベルでしょう。
ここでついてけないとなると、まず基本単語や語彙などの勉強もかなり必要です。
異文化理解論、家族論、ジェンダー論、認識論、科学技術史、芸術論、民俗学、戦争論、文学論、メディア論、情報化社会論などが出題されています。
入試現代文は「書き言葉の日本語理解力」を問うもの。
日常生活の日本語ではなく、思考のことばの力を養わなくてはいけません。
その意味で、言葉と論理の関係を図に示しながら解説してくれるので、初心者にとってはとても理解しやすいと思います。
もう一人の柳生好之講師は小柴講師とは全く違う柔らかい印象の方です。
問題文に線を傍線をひきながら、ていねいに解説してくれます。
ただし登場するのは大学受験コースの東大、京大コースのみです。
紅一点、古文、漢文の岡本梨奈講師は若いです。
生徒にとっては一番親近感がわくのではないでしょうか。
高1と高2のコースでも基礎的な文法の説明をしてくれます。
文法が苦手な人は、単元を決めて勉強したらいいのではないかと思います。
ただしダラダラと講義を聞いても時間のムダになるかもしれません。
ポイントをしぼってやるのがいいでしょう。
スマホにあらかじめダウンロードしておいて、スキマ時間に見るというのが一番効果的かも。
ただしその前に絶対に問題を解いておかなければ意味がありません。
なんとなく聞いてはみたけど、ちっとも力が伸びないということになりかねませんからね。
ずっと画面を見ていると、かなり目も疲れます。
これは経験してみてよくわかりました。
そういう時は音だけでもいいです。
数多く問題を解いていると、自分が不得手だなと感じる傾向の問題が出てきます。
そこを重点的に勉強するという方法もあるでしょう。
1年間やってみての感想
1年間にわたり、問題をといてみて、実によくできている問題だと感心させられたものがいくつもありました。
古典、漢文も同様です。
ぼくが幸福感にとらわれた瞬間でした。
是非、次々と問題を印刷し、解答してみてください。
解説も非常に詳しいです。
市販の問題集のレベル以上です。
しかし自分にあうのかどうか。
しばらくすると、やめてしまう可能性がないわけではありません。
継続することのできない性格の人もたくさんいます。
まずトライしてみてはどうですか。
お試しコースもあるとか。
ダメだったら、あっさり諦めることです。
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しかしただ自分で問題集を解くことを考えたら、ずっと効果はあがると思います。
ただし、みなさんは国語だけというわけにはいきません。
3科目の人もセンターを受ける人もいます。
自分で一番苦手なところをピックアップできる人には向いてますね。
塾に行けば教えてもらえる人には必要がない。
ただし以前の学年に振り返って、やさしいところから教えてもらうというのは大変です。
スタディサプリの効用はそれかもしれません。
フィードバックがきくということ。
毎日時間をきめてやれる人には向いてます。
その反対のタイプの人には無理です。
学力の判定をしながらやっていかないと、時間がムダになります。
自分の好きなタイプの講師がいたら、それはかなりお得。
全部が自分の思う先生だというわけではありません。
その時は科目を絞る。
あるいは別の方法を考える。
勉強は日々の繰り返しです。
時間と費用の節約だけを考えていたのではうまくいきません。
しばらく時間がたつと、一度やった問題でも忘れています。
その時、完全解が得られるようになっているか。
記述式の問題の解答にはものすごい時間とエネルギーを使います。
字数の指定がなかったりすると、本当に唖然とするばかりです。
しかしその後にはかならず実力がついています。
ものすごく国語力がつきます。
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信じてください。
スタディサプリは自分のペースで問題集を一冊やった方がいいという人には向きません。
その人の性格がキーポイントです。
一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
おかげさまでぼくは随分と勉強させてもらいました。
いい文章に出会えたのがなによりありがたかったです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。