小論文の書き方極意!思う感じる考えるを封印しよう

小論文

たくさん書いてきたのに…

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今までに何枚の答案を読んだのか、自分でもよくわかりません。

推薦入試や総合型入試、さらには新しく導入された共通テストにも書く力がますます要求されつつあります。

どうやって文章を書くのかと言われても、よくわかりませんよね。

小学校の頃から随分書いてきたはずです。

その時はそれでなんとかなった。

読書感想文だって夏休みのたびに書いてきました。

それなのに、どうしてうまく書けないのか。

Anyusha / Pixabay

ほんとに悩みます。

もう試験も近いです。

なかには、志望理由書をまとめている人もいることでしょう。

友達とおしゃべりをする時には、なんでもなくスラスラと言葉が出てくるのに、原稿用紙に向かうと突然途切れてしまう。

なぜなのか。

自分には本当に文章を書く才能がないのか。

それともその方法を知らないだけなのか。

理由を知りたいものです。

しかし誰も教えてはくれません。

特に小論文となると、全く手に負えません。

どこから勉強していいのか、見当もつかない。

先生にみてもらえといわれても、さて先生がきちんと小論文の書き方を知っているのかどうか。

そこまで考えちゃいます。

小論文のヒント

今回は今まで添削をしてきて、一番気になったことだけを書きます。

少し極論に過ぎるかもしれません。

しかしこれでぐっと文章が生きてきます。

しばらくおつきあいください。

先日もぼくが数年前に教えた生徒からメールがきました。

論文を大学に出さなくてはならないけれど、どうやって書いていいのかよくわからないということでした。

今日は一つちょっと強引な手法を紹介します。

最初にして欲しいことは何か。

それは3つの言葉を封印することです。

「思う」「感じる」「考える」です。

本当に全部使ってはいけないのですか、というのがその時の生徒のメールの内容でした。

本当のことをいいましょう。

上級クラスになったら、時には使ってもいいよと答えています。

その時もメールでそう言いました。

geralt / Pixabay

なぜ上級クラスになってからでなくてはいけないのか。

「~思う」を連発してしまうからなんです。

そんなことはありません。

きちんと書き分けていますという人の答案をみると、「~思う」「感じる」「考える」のオンパレードです。

この表現を使うと実はすごく楽なんです。

そして一見、小論文らしく見える

だから厄介なんです。

小論文は自分の主張を支える根拠が大切です。

言い直すと説得力です。

言い方に力を入れてもムダです。

むしろ、根拠が揃っていないから大きな声を出していると勘違いされてしまいます。

かえって逆効果になるだけなのです。

例文を参考に

例文1

私は言葉を大切にすることが今一番必要だと思う。
若者ははやりの言葉を使う傾向があると感じる。
日本語の美しさをきちんと守って育てていくことが大事なのだと思う。
そうでなければ、この国の文化を守ることはできない。
世界は英語中心になりつつあると考える。
確かに日本語は世界と地続きの言葉ではないかもしれない。
だからといって美しい日本語を捨ててはいけないと思う。
日本語がたどってきた道をたどることは今こそ大切なことだと考える。
たくさんの美しい日本語を知ることで、豊かさを理解できると思う。

例文2

こころは知性によって直接目に見えるものではないと考える。
自分にこころや知性があることは自分の経験からある程度わかる。
しかし自分には理解できないことも多いと感じる。
それは他者の痛みに関してではないかと思う。
喜怒哀楽を他者と共有することくらい難しいことはないと思う。
こころを持つことがいつも他者と同じであれば、いいのにと考える。
しかしそれは無理な話である。
私たちがどのように他者のこころを判断しているのか、どうしても知りたいと思う。

ここまで読んでみてどうでしょうか。

言いたいことが全くわからないわけではありません。

文章も「である」調でそれらしくまとまっています。

特に「です、ます調」との混在もなく、それなりの文体です。

しかしどこか冗漫な印象がして、文のリズム、切れが感じられません。

初心者の文章はほとんどがこのパターンです。

極論すれば、なんとなく文章らしいものの、モタモタしてて、ちっとも読んでいても気持ちがよくありません。

こういう文が70%以上だというと驚くでしょうか。

ひどいのになると、一つのセンテンスが異常に長くて、どこに主部があって、どこに述部があるのかまったくわからないのまであります。

とにかくセンテンスが長いのです。

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しかしこの話は次回にしましょう。

これをなおすだけでも、随分と読める文になるのですから。

いったいどういう勉強をしてきたのかとつい勘ぐってしまいます。

ぼくも40年教師をしてきたので、その間に随分と作文を書いてもらいました。

しかしどう書いたらいいのかということは、なかなか簡単に教えられないものなのです。

やはり圧倒的な読書量が必要です。

身体の中に文のリズムが入らないとダメです。

しかしそんなことを言われたのでは悲しい。

なんとかこれだけはというのが、今回のテーマです。

3つのワードを切り捨てて

「思う」「感じる」「考える」はダメ。

これを徹底しましょう。

なぜ使ってはいけないのか。

思って、感じて、考えているから今、小論文を書いているのです。

あたりまえのことを繰り返してどうしますか。

もともと主語は「私」で統一しようと言い続けてきました。

だからこそ、それが前提の小論文です。

Tumisu / Pixabay

いまさら、「~思う」といわれても仕方がありません。

全部とってください。

切り捨てていきましょう。

それが一番読みやすい文章にするための近道です。

それよりも内容の整合性に気をつけること。

文章はとにかく短文でまとめます。

最後に3つの禁止ワードを入れそうになったら、ぐっとあごを引いて我慢してください。

リライト文1

言葉を大切にすることが今一番必要だ。
若者ははやりの言葉を使う傾向がある。
日本語の美しさをきちんと守って育てていくことが大事なのだ。
そうでなければ、この国の文化を守ることはできない。
世界は英語中心になりつつある。
確かに日本語は世界と地続きの言葉ではないかもしれない。
だからといって美しい日本語を捨てていけないのである。
日本語がたどってきた道をたどることが今こそ必要な時だろう。
たくさんの美しい日本語を知ることで、文化の豊かさをより深く理解できるのではあるまいか。

リライト文2

こころは知性によって直接目に見えるものではない。
自分にこころや知性があることは経験からある程度わかる。
しかし自分には理解できないことも多い。
それは主に痛みに関してではないか。
喜怒哀楽を他者と共有することくらい難しいことはないのである。
こころがいつも他者と同じであれば、と悔やむこともあるだろう。
しかしそれは根本的に無理な話である。
すなわち、どのように他者のこころを判断しているのか。
どうしても学として知りたい所以なのである。

ムダな言葉がなくなり、文章が勢いを吹き返してきました。

文章を書いたら、一度声を出して読んでみてください。

3つのワードを全て消去することから始めること。

これを必ず確認してください。

いろいろと面倒くさいことを書きました。

しかし決して無駄にはなりません。

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時間はあります。

自分の夢に向かって着実に頑張ってくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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