落語のたくり帖





かわいい本です。
落語家の書いた本にかわいいというのはなんですけど、まあかわいい。
毎日新聞に載せたものを補筆したらしいです。
基本的に女性の記者とぶらぶら東京を歩いた記録です。

中にあるイラストがいいです。
それと一之輔当人の述懐かな。
独り言のレベルでしょうか。
川上君という人間の横顔をそれとなく露呈してます。

もちろん、噺家の本ですから散歩する場所は、落語に登場するところばかり。

「花見の仇討ち」に始まって、「百川」「茶の湯」「居残り左平次」「阿武松」「唐茄子屋政談」
「豊志賀の死」「船徳」「佃祭」「お菊の皿」「三方一両損」「野ざらし」「目黒のさんま」「井戸の茶碗」
「粗忽長屋」「四段目」「明烏」「宿屋の富」 「文七元結」「質屋庫」。

噺の数も随分ありますね。
東京中をあちこち歩いた訳ですから、それなりに面白い。
ちょっと行ってみたいところもありました。
といっても下町が中心です。
落語はやはり庶民のもの。
その視線を忘れたら、そこで終わりでしょうかね。

忠臣蔵が主題の「四段目」にからめて、和菓子店「新正堂」の切腹最中なんてのは、格別にいいネーミングだな。
なんかそそられますね。