雪椿





日曜日の昼に放送しているお茶の間寄席は、元々千葉放送の番組です。
それをTVK、テレビ神奈川が流してくれています。
実にありがたいことです。

TVKは浅草演芸ホールで収録したものをそのまま、オンエアしています。
寄席の雰囲気が実によく出ているのです。
噺家さんたちも、いつもの寄席の気分でそのまま収録してもらっているのでしょう。
実にリラックスした表情をしていて、見ている方も力が抜けてしまいます。
面白くても、面白くなくても、それがまさに寄席そのものなのです。

ここでは芸協も落協もなく、次々と芸人が登場します。
よほど詳しい人でなければ、その区別はつかないと思います。
もちろん、芸風の違いがあって、それも画面から滲み出てきます。

さてつい先日の放送に、柳家権太楼の「雪椿」というのがありました。
今までそんなネタを聞いたことがなかっただけに、いったいどんなものかと興味がわきました。
もしや新作かとも考えました。
実はそのルーツが2年前にNHKで放送した演芸図鑑にあったのです。

ここで権太楼師は彼の母親が父親の遺影に向かって、雪椿を歌ったというエピソードを披露しています。
その様子がよほど胸に響いたのでしょう。
以前から一度は会いたかったという歌手の小林幸子が後半に登場します。
彼の母親の写真に向かって、アカペラで雪椿を歌うシーンがなんともしみじみとしています。
左の一枚は、思わず涙を流す権太楼師匠の様子です。

弟子には大変厳しく、人一倍神経質でもあるという、師の一番柔らかいところに触れた番組だったのではないでしょうか。
寄席での噺は、いろいろな四方山話の後で、師が3番まで雪椿をフルコーラスで歌い、高座を下りるというだけのものです。
しかしその背後にあるこの話を知っていると、もっと気持ちがよく理解できます。
ユーチューブにも動画がに分かれてアップされています。一度ご覧ください。

やさしさとかいしょのなさが裏と表についている
そんなあなたに惚れたのだから、わたしがその分がんばりますと
背(せな)をかがめて微笑みかえす
花は越後の 花は越後の
雪椿

小林幸子がこの歌の誕生秘話を語っています。
これもなかなかに味わい深いものでした。