NHK新人落語大賞





先日放送されたNHK新人落語大賞を、やっと今日見ることができました。
関西の二人は全く知らない人なので、今回は東京勢だけを中心にまとめてみます。
大賞をとった春風亭朝也と二位の春風亭昇吉との間にはほとんど点差がありませんでした。
しかし、笑いの量からみても、やはり朝也の方に分があったような気がします。

「紙屑屋」という噺は若旦那がメインなので、昇吉の気分にはあっていたかもしれません。
しかし踊りと歌舞伎を前面に押し出した分、少し損をしたような気もします。
相当、稽古したのはよくわかりました。
でもまだ所作事がかたいようです。
どうしても小朝のを思い出してしまいます。
若旦那の軽みをさらにどう出すかが、難しいのかもしれません。

そこへいくと、朝也の「やかんなめ」はよくこなれていて、小三治のものを踏襲しているのでしょうが、楽しめました。
家来の可内(べくない)とのやりとりが傑作で、二人の表情がそこに見えるようでした。
この噺は易しそうでいて、実際やってみると大変に難しいです。
あまり生々しくやると、不潔感が漂います。
そこをさりげなく扱うところがポイントでしょうか。
女中二人の上下の扱いも厄介です。

三遊亭歌太郎の「たがや」は早口ではあるものの、滑舌がよくきちんと聞き取れました。
よくこれだけの量の噺を省略せずに、あの尺にまとめたものです。
かなりの力量をもっている人だと感心しました。
どちらかというと、地の噺のところが多い分、こういうコンテストでは不利かもしれません。
笑いを多くとるために何の噺を選んだらいいのかということは、そう容易ではないでしょう。
それを含めての大賞受賞なのです。

一朝門下はこのところ慶事ばかりが続いています。
数年前の一之輔に続いてすぐ下の朝也受賞です。
まもなく真打でしょう。
150以上のネタを持っているとか。

長い修行がいつかいい思い出になる日がくればいいと思います。
芸人の中でも噺家は究極の一人芸です。
それだけにこうした賞をもらうことが、どれほど心の励みになることでしょうか。
来年が飛躍の年になることを祈りたい気持ちでいっぱいです。