落語こてんコテン





以前に『落語こてんパン』の紹介をしました。これはその続編として出版された本です。
例によって50本の噺が紹介されています。
ポプラ社のウェブマカジン「ポプラビーチ」の連載を加筆訂正したものです。
内容は町内の若い衆、かぼちゃ屋、唐茄子屋政談、親子酒、宿屋の富、御慶、幇間腹、棒鱈、花筏、七段目など。
さらに死神、王子の狐、宮戸川、へっつい幽霊、花見の仇討ち、締め込み、紀州、権兵衛狸、百年目、吉田御殿、替り目が書き下ろしで新たに加わりました。

 全部書いていたらくたびれそうなので、ここいらで許してください。

喬太郎のいいのは落語に対して、真面目で実に正直なところです。
たとえば、自分は舌が長いので滑舌が悪く、どうしても大工調べの啖呵がきれないとか。
歌舞伎をよく知らないから、七段目のような噺は絶対にできないだろうとか。

エピソードとしては、日大落研商学部同期W君の十八番「悋気の独楽」がとにかく面白かったという話。
これは落研創立五十周年記念の立食パーティで披露されたものだそうです。
お金をとるプロより下手なのはもちろんだけど、でもこの噺はW君のが一番好きなんだそうな。
心あたたまる、ちょっといい話じゃありませんか。

この本の面白いのは、とにかく落語の今を感じることです。
芸は動かせという圓生の言葉通り、いつも「今」を意識して高座に上がろうとしている。
その格闘の軌跡が生のまま、出てます。
酔っ払って、ぼくは不勉強でわかりませんが、と断りを入れてから書き始める文章にも、彼の素直さがよくあらわれています。

平成元年にさん喬門下に入り、平成12年に真打ち。
喬太郎師匠も50才を超えました。
結局、弟子をとらないんでしょうか。
とるとしたら、どんな弟子なのか、どうしても見てみたいのですが…。

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