青空文庫





青空文庫といえば、知る人ぞ知る宝の山です。著作権の切れた作品を次々とボランティアの方々が電子化してくれています。
誠にありがたい限りです。
さてその中に落語関連の本はどれくらいあるのか。
ちょっと覗いてみました。

今までにもお世話になっているのは、なんといっても三遊亭圓朝師のものです。
これが実に多い。40近くもの作品があげられています。
今もかなりの作品が電子化の途上とか。
ちなみに、どんな作品があるのか。

華族のお医者   菊模様皿山奇談   狂言の買冠   霧陰伊香保湯煙   黄金餅  塩原多助一代記
士族の商法  七福神詣 名人長二。
いくつか聞いたことのある噺はありますが、あとは殆ど知りません。
また牡丹灯籠、真景累ヶ淵、文七元結などという誰でも知っている作品もあります。

さらに二代目談洲楼燕枝の芸談もありました。この人は人情噺を得意としたそうです。
下谷西町に住んでいたことから「西町の御前」と呼ばれたそうな。
その燕枝師の芸談は誠に面白いものです。
昔の席亭との関係や、貧乏生活の様子などが、目に見えるように書いてあります。
その中になるほどと感心した芸談がありましたので、ちょっとご紹介しておきましょう。

噺をする時、自分に慾があつたら旨く出来るものではありません。
此処で一つお客に受けさせやうとか、此処で笑はせてやろう泣かせて見ようとか自分で思つたら、必ずお客はもう泣きも笑ひもしません。
高座へ上つた以上自分と言ふものはまるで無くしてしまつて、話題に上る人物だけが其処に出てゐると言ふ様でなければ、芸といふものは旨くいくものではありません。
剣道でも柔道でも弓術でも同じです。
私なぞも弓は好きでやりますが、当てやうとか形をよく見せやうとかいふ野心があつたら、到底当てることは出来ません。
其の上、寝ても覚めても芸のことを考へて居る様でなければ駄目です。
そうして矢張り本を読まなければいけない、私なぞもその点は始終自分を鞭打つて怠らぬ様にしてをります。

四六時中、芸のことばかりを考えているようでないと、うまくはならないという話はかつて読んだ圓生の芸談にもありました。
芸には人一倍厳しかった圓生師も夜中、ふっと目が覚めて、噺のことを考え始めると、それから眠れなくなってしまうことが何度もあったそうです。

この他にも正岡容(いるる)の艶色落語講談鑑賞、武田麟太郎の落語家たちなどというのもあります。
燕枝については柳家三三が演じた嶋鵆沖白波(しまちどりおきつしらなみ)が記憶に新しいところです。
これからもいろいろな噺家が新しい噺を発掘してくれるだろうと思います。
落語にはいろいろな愉しみ方があり、奥が深い芸だとしみじみ感心する今日この頃でもあります。

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