ちはやふる





実はマンガの話を書こうと思ったのではないのです。
随分以前から「千早振る」は稽古しておりました。
ちなみに瀧川鯉昇師のようなモンゴルまで行くバージョンはやっておりません。
ごくごくノーマルなやつです。
まあ、あえていえば小三治風というところでしょうか。
つまり柳家系統の噺です。

ところが何度やっても名前が突然出てこなくなるというアクシデントに見舞われます。
幸い、本番ではそういうことはないのですが、稽古をしている時に、ふっとつまるのです。
この噺には三人の固有名詞が出てきます。

 最初に相撲取りの龍田川、それと花魁の千早、さらに神代。
ところが妹格の花魁、神代のところで時々つまってしまうのです。

なぜかといえば、どうもあの「幾代餅」がいけないみたいです。
「紺屋高尾」とならんで「幾代餅」も同じパターンの代表的な郭噺ですが、どうしてもこの幾代と神代がごちやごちゃになります。
なぜか理由はわかりません。
すると、突然千早も出てこくなくるのです。
後半で女乞食になった千早が、豆腐屋の店先で龍田川に出会うのですが、この時、なぜか絶句してしまうのです。
なぜでしょう。
これは神代と幾代の違いに神経を使いすぎて、くたびれちゃうからかもしれません。

古今亭志ん生は間違えたらいいかげんにごまかしたということですが、桂文楽はそうはいきません。
事実、引退の引き金になりました。
ぼくも時々間違えて、なんとかその場でつくろったりはします。
しかしここでは噺の根幹にからむだけに、間違えるわけにはいきません。
他の人なら、そんなのはたいしたことないというかもしれません。
あるいはちょっとした噺の順序で間違えやすいところがあったりもします。
稽古の時、不安が残ると、本番でもなんとなく厭なものです。

「子ほめ」などは、年齢が重要なポイントですので、最初に言い間違えると、完全に台無しになります。
プロでも年をとると、この噺はやりたがらない人もいるそうです。
ちょっとしたミスが致命傷になるのです。

さて上の絵はマンガ「ちはやふる」です。
大変な売れ行きで、最新号までで、とうとう1000万部を超えたとか。
今時、百人一首でもありますまいという気もしますが、扱い方がよかったんでしょうね。
新鮮だったのかな。
綾瀬千早と綿谷新、真島太一の活躍はゆっくりとご自身でお読みください。
小学校編から始まり、現在は高校編になっております。

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