和気満堂





新宿末廣亭が再建されたのは昭和21年。
今から60数年前です。
初代の大旦那、北村銀太郎の名前は、おそらく忘れられることはないでしょう。
たくさんの本が出ています。
志ん生と同年の生まれでもあります。
暇さえあれば、志ん生と将棋をうちました。
詳しい話はリンクを張ったので見てください。
この人は落語協会の分裂騒動の時も大きな役割を果たしました。
隠然たる力をもっていたのです。
圓生たちの立ち上げた新しい派を、新宿には出さないと彼が言わなかったら、今頃は協会も完全に四分五裂だったかな。
上野も池袋も大旦那の意見に従ったのです。

末廣亭はなんともいえないレトロな風格の建物です。
ぼくは歌舞伎町の生まれなので、よくこの近くまで遊びに行きました。
伊勢丹や隣の丸物(今の伊勢丹会館)はぼくにとって大切な遊び場でした。
近くに鉱泉湯もありました。お湯が真っ黒でした。

そんなわけで、ずっと親しみを抱いております。
入ると、正面に飾ってある額がすぐに目に入ります。
床の間もあって、提灯もあって、本当に不思議な空間です。
生き馬の目を抜くような新宿という地に、こんな空間があるということそのものが不思議でなりません。
かつてはどこの町内にもあったような寄席が、淘汰され、少なくなってしまいました。
消えてもらっては困ります。
最前列に陣取って噺家の芸を見るなんて贅沢は、そうそうできるものじゃございませんから。
それも昼夜の入れ替えなし。

席亭さんが太っ腹だから、お昼から夜の9時までいられるんですよ、とよく志ん五師匠が話してました。
懐かしい。
あんなに早く亡くなっちゃって。

正面の額には「和気満堂」とあります。
いい言葉ですね。
建物の中に和気が充ち満ちているという気分がいい。
笑門来福というところかな。
また行きましょう。
ちなみに今日は節分。
たくさん、手ぬぐいが撒かれるんでしょうね。

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