立川談志の正体





談志にまつわる本を読むのも、もそろそろこれで終わりかな。
なんとなくそんな気がします。
快楽亭ブラックの文章を読んだのは初めてかもしれません。
キウイの本を読んだ時にも感じた違和感があります。
談春の『赤めだか』の爽やかさはないね。
志らくの『雨ン中の、らくだ』『全身落語家読本』『立川流鎖国論』の毒もない。

あるのはどうしようもく抱え自分で処理しきれない、談志に対する愛憎です。
とにかく師匠が好きだったんでしょう。金にきたないけれど、そこに愛着を感じていたのも事実です。
立川流をやめたくなかったのが本音です。
吉川潮が師匠を守ろうとして、ブラックの破門を願ったという構図でしょうか。
彼はかなり悪者に描かれています。
しかし、すべては藪の中です。

好きな噺をあげている第二部がよく書けています。
「芝浜」「文七元結」はダメ。
金に執着する人物を描いた噺。「黄金餅」「富久」「鼠穴」。これは最高。
「粗忽長屋」を「主観長屋」に変えたのは完全に失敗。
面白い話がいろいろでてきますが、もうこれくらいでいいでしょう。
伝説は尾ひれをつけてまだ伸びるかもしれません。
しかし人一倍寂しがり屋で偽悪家だった落語家はもういなのです。

今年の正月には、神がおりたとされる「芝浜」も全篇、放送されるとか。
あとは個人の好みということになりそうです。

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