新宗教ビジネス 島田裕巳 講談社 2008年10月





 昨年読んだ本の続編です。というより、今最も人々に支持されているといわれる新宗教教団の財務関係を追った本です。これらの団体がどうやってビジネスモデルを確立したのか、あるいは体系化しようとしてきたのかというユニークな視点から書かれたものです。
新宗教といえども経済的な裏付けがなければ、布教活動を続けることはできません。しかし過度に献金などを強要すれば、当然人心は離れていきます。そのためにいくつものモデルを考え続けてきたという結果をまとめたのが、この本の目新しさです。
最初は運慶作の仏像を15億円で落札した真如苑の話から始まります。この教団は2002年に日産自動車村山工場跡地106万平方メートルを実に739億円で買収しています。
さらに驚かされるのは、東京ドーム20数個分がすっぽり入るというこの土地の利用法については、まだ何もきまっていないということです。
このような財力をどのようにして得てきたのかというところから、新宗教の実力について分析は始まります。
献金型ビジネスモデルが現在の不況で下火になり、スーパーコンビニ型、あるいはブッククラブ型と呼ばれる方法に切り替えるところも出てきました。
おひとりさま宗教の時代と呼ばれる現代において、新宗教教団も難しい舵取りを余儀なくされています。余剰金が幹部にまわらない仕組みを整えたりしないと、すぐに分裂の危機にも見舞われます。それだけ一般会員の目は厳しくなっています。布教活動の方法も以前とは大きく様変わりしています。
そのあたりの記述も興味深いものでした。
新宗教もかつてのように巨大な施設を建築する時代ではなくなりつつあります。それだけにビジネスモデルとして、捉えた本書にはユニークな視点が多々あると思いました。
彼の著書をこの他に数冊続けて読みましたが、従来誰も書かなかった分野だけに目新しい内容がたくさんあり、新鮮でした。
かつての宗教学とは全く違う、むしろ社会学的な学際の領域に入るものです。具体的な宗教名は本書に直接あたってください。