女性の品格 坂東眞理子 PHP研究所 2006年9月





 先刻、本屋さんで立ち読みをしてきました。何気なく読み始めたら、あっという間に最終章でした。
タイトルは『女性の品格』。著者は昭和女子大学副学長の坂東眞理子さんです。おそらく藤原正彦の大ベストセラー、『国家の品格』に関連づけてネーミングされたものでしょう。
ちなみに現在この本も30万部売れているそうです。
新書ですから大変読みやすいのですが、それ以上に内容がごく自然だったので、少しもひっかかるところがありませんでした。
これで女性の品格は十分に発揮されるのかと思うところはありますが、まさにここにあることを自然体で行うことがいかに難しいのかということなのでしょう。
内容は「礼状が書ける」「約束をきちんと守る」「いざという時、型どおりの挨拶ができる」「姿勢を正しく保つ」「贅肉をつけない」「人に擦り寄らない」「よいことは隠れてする」「得意料理をもつ」「恋をすぐに打ち明けない」等々です。
どれも当たり前ではないかと言われれば、それまでのことです。
読みながら、一番難しいと感じたのは、目下の人や、自分と直接関わりのない部署、関係者の人にもていねいに挨拶をするということでした。
簡単に言えば、掃除に来てくれる外部の業者の人にも、頭をきちんと下げるということなのです。これは案外簡単そうでいて、大変難しいことです。自分のテリトリーにいない人に素っ気なく振る舞うというのは、ある意味で当たり前かもしれません。
しかしそこから何かが崩れ落ちていくものなのです。
そうした態度が礼状を億劫がってしまう行為にも通じるのでしょう。はやりのものをすぐに着ないとか、決めの服を必ずもっていることとか、女性らしい内容もあります。
確かにこれを着れば、どんな席にも出られるという服は必要かもしれません。
あるいは身内だけの会話ではなく、どのような場でもきちんとした挨拶ができるということの大切さは、大いに参考になりました。
さらに人の悪口を言わず、職場や家族の愚痴を言わず、自分の能力を最大限に引き出せない仕事にも、黙々と取り組むといったようなことがたくさん綴られています。
どれも至極当たり前のことばかりです。
しかし実行はなかなかできません。ここに示されたことは女性に限らず、全ての人にとってのセオリーなのではないでしょうか。反省することばかりだったことを、告白しておきます。