レイコ@チョート校 岡崎玲子 集英社 2001年11月





 以前、本屋さんで見かけた時から、気になっていた本です。
チョート・ローズマリー・ホールは寄宿制の名門私立高校です。アメリカでも3本の指に入ると言われています。小学校6年で英検1級をとった筆者は奨学金つきで、この学校への入学を果たします。
チョート校のすごいところは、学力だけでなく、個人の人格を養うことにエネルギーを使っている点です。かつての大統領、J.Fケネディーもこの高校の卒業生だそうです。
面白かったのはやはり授業の形態でした。基本的に全てを生徒にやらせるというものです。ものすごい量の宿題を課し、それを次の時間に次々とさばいていきます。先生方も生徒の信頼に応えるべく、日々研鑽しなければなりません。
なんといっても授業がほとんどディベート形式で行われるところが新鮮でした。たとえば、日本の江戸時代に行われた鎖国は今日の日本から見て、どのような意味を持つのかといったことを徹底的に討論させるのです。
きまった答えはありません。だからこそ、生徒は必死に考えなくてはならないのです。
インターネットなどで調べることは当然ですが、その内容をレポートなどにそのまま引用したことが発覚した場合、退学処分になります。剽窃ということに対しては、非常に厳しい措置をとるという態度に、学問に対する厳しさを感じました。
また世界史で行われた模擬的なパリ講和会議では、参加したいくつかの国に別れて、その時点でもっとも自国に有利な結論に導くための交渉をします。
200人近い生徒は協議された原案をいくつもの段階に分け、最終的に条約の調印にまでこぎつけます。こうした授業がやれる環境もさることながら、徹底的に生徒主体という授業には感心しました。
もちろん、厳しい授業ばかりではありません。その間には心躍るパーティや誕生会などもあり、先生との信頼関係も築かれていきます。
大統領選挙に対する生徒達の関心も強く、大統領側近の講演会まで開かれたりもしたそうです。
彼女はこの後、9.11事件に遭遇しますが、それは続編にとして出版されているようです。現在は日本の大学に在学しているそうですが、その後の様子も知りたいところです。原稿を自分から集英社に持ち込んだというパワーもこの本から、十分に読み取ることができます。行動力の勝利というところでしょうか。