イタリア讃歌 高田信也 文藝春秋 1995年10月





最近、なぜかイタリアに関係した本をよく読んでいる気がします。つい先日も塩野七生さんのヴェネッチア草創の話を読了したばかりです。
なにか憧れに近いものがあるのかもしれません。数ヶ月前に放送された世界遺産の旅でもイタリアのところは随分と熱心に見た記憶があります。
筆者は還暦を過ぎてから、奥様と二人で手作りの旅をしました。この本はその時の詳細な記録というわけです。
羨ましいのは自由になる時間と、ある程度のお金ということでしょうか。わざわざそのためにイタリア語を勉強し、さらに歴史を学んでのイタリア訪問となりました。ローマは当たり前のことながら、かなり広範囲に旅行をした様子が書き込まれています。
その間に、土地の人々と仲良くなったり、パスポートを落としたりとそれは珍道中の様相もみせています。しかしその全てが、やはりお仕着せの旅では味わえない彩りに満ちたものになっています。
気にいったホテルに何泊もするなどということは到底忙しい人間には不可能でしょう。
一人70万円ほどを使ってのイタリア一ヶ月の旅を高いとみるのか、リーズナブルなものと考えるのかは、それぞれの読者にゆだねたいと思います。
ナポリやソレントなどの記述も面白いものでした。
ぼくもこういう優雅な旅行をしたいものだと、つくづく感じ入ったしだいです。高くなくてもいい、おいしいワインとちょっとした食べ物があれば。こういう考え方に支えられた旅だからこそ、共感もまた呼ぶのではないでしょうか。