日本人論 姜尚中 佐高信 毎日新聞社 2004年3月





 日本人とは何か、あるいは日本はこれからどのような方向へ向かったらいいのか。ということを様々な角度から話し合ったのが、この本です。
二人の政治的な立場を明らかにしながら、徹底的に分析を試みています。今後アメリカ、北朝鮮、中国との関係をどのように進めていけばいいのかということに焦点があてられています。
中でも出色は山形県酒田市にある東北公益文科大学で行った対論をそのまま収録した最後の章です。
酒田市出身の佐高が姜を招いた形で行われた討論は、日本とアメリカの関係をかなり鋭くえぐっています。日本がアメリカの国債を300兆も買っているという事実はこの本を読むまで知りませんでした。
またイラクでの戦争と金大中の政治的立場にも言及し、正義なき平和でもいいのか、あるいはやはり平和なき正義が大切なのかという点についても、ホンネのところで話し合っています。
例によって田中角栄から小泉、加藤まで日本の政治状況について辛辣な批評を加えていますが、それも十分理解できるものでした。
二人の関係がどのようなものであるのかというところから、いわば現在の政治状況をあぶり出すところまで進んでいるのはさすがです。
日本人とは何かという難しいテーマを、平易な言葉で話し合っている二人の姿に共鳴できる点が多々ありました。