ルポ「まる子世代」 阿古真理 集英社 2004年2月





1964年から69年に生まれた女性たちのことを「まる子」世代と呼ぶのだそうだ。
豊かさが頂点に達した80年代、彼らは社会に飛び出し、その後バブルの崩壊が起こる。それと同時に男女雇用均等法ができ、総合職につく人の数も増えた。
しかし第一線で働く彼らの覚悟は次々としぼみ、家庭に入るひとも多かった。前の時代とは生き方をかえなくてはいけないという呪縛に押され、再び仕事についてみるものの、思うようにはいかない。
サラリーマンの妻であれという国策の中で、収入の上限が決められ、つねにパートタイム労働者として、うまくあしらわれてきた。
なかには文字通り、企業の最前線で働く人もいる。しかし子育てと両立していくのは並々のことではない。
3歳までに子供はつくられるという神話がいつまでも耳の底に鳴り響くのだ。
筆者は実にたくさんの女性に会っている。そして家庭が核家族化するのにつれて、まる子世代の息苦しさも増したという結論に達する。
全体を通じて、女性達が、母として女として、そして一人の人間として、なんとか自立していきたいと考えた軌跡には執念のようなものがあると感じた。
専業主婦ではいけないのだという、どこかに後ろめたさを感じつつ、起業までした人もあらわれる。あるいは完全に夫を待つだけの一日を過ごしている人もいる。
自分探しと仕事との関係は根深い。朝起きて職場に行けるということがどれほど幸せなのかという派遣社員の人の発言にも真実味があった。何をするというのではない。ただ働きたいという声も多い。
生きる意味をなんとかして手にいれようとしているこの世代の人々に、大いに共感を覚えた。
筆者の書き方も等身大のままである。無理に背伸びをせず、ありのままを描いた点がよかったのだろう。