となりの韓国人 黒田福美 講談社 2003年7月





著者は芸能界きっての韓国通です。ソウルオリンピックの時、現地からの番組を企画したり、2002年のワールドカップでも組織委員会の理事として活躍しました。
また独学でハングルを習得したという努力の人でもあります。写真をみれば、きっと誰でも心当たりがあることと思います。
85年に韓国レポートを仕事でして以来、すっかりこの国の魅力にとりつかれてしまったといいます。
それは日本にない血の熱さといってもいいでしょう。とにかく日本人が1メートル離れて話し合うとしたら、韓国人は50センチの距離で話します。
少し仲良くなれば、もう手を握ったり抱きしめたりすることも不思議ではありません。
ちょっと出されたキムチがおいしいなぞといえば、帰りには山のようなおみやげをもらうことになります。
長幼の序を大切にする儒教社会ですから、厄介なことも多いものの、やはり居心地がいいと感じる人が多いのも事実です。1歳でも年が違えば、必ず尊敬表現を用います。ものごとをはっきりと言い合い、翌日にはけろっとしているというところが、また日本人とは大いに異なります。
やはり島国と大陸の差と言えるでしょう。なまじっか顔つきが似ているだけに、かえって話は複雑です。誤解が生じることも多いようです。常にミスを怖れる日本人に比べて、韓国人はミスをするのは人間だから仕方がないと考える傾向が強いと筆者は言います。
しかしそうした韓国人も次第に経済成長と国家の威信が合体した結果、変化をしています。
若者の中にはキムチを自分で漬けたりする習慣を持たないものも多く、最近では多くの日本食や西洋料理にも目が向けられているようです。徴兵制があり、若くして26ヶ月を費やす間に、様々な人生の機微を知るという側面も韓国にはあります。
最近の韓国映画、テレビ番組のブームをみるにつけ、微妙な感性の差をあらためて強く感じます。
韓国に数年間定住したことのある黒田さんの書いたものだけに、どのエピソードにも説得力がありました。