すべては一杯のコーヒーから 松田公太 (新潮社) 2002年5月

脂肪や糖やを抑える青汁





筆者はコーヒー店「タリーズ」の取締役社長です。父親の仕事の関係で、セネガル、アメリカ生活の後、日本に戻りました。
その後、三和銀行に就職したものの、どうしても事業を展開したく、数年で退職します。
やはり日本以外の土地で長く生活していたことが、彼の精神風土を作り上げたのでしょう。
シアトルで飲んだコーヒーの味が忘れられず、一日に50店も訪ね歩きます。その時に出会った本物の味がタリーズでした。
銀行員の仕事をしながら、毎週本社にメールを打ち、電話をかけます。どうしてもコーヒー店がやりたいのだと。
ある時、東京で偶然会長トム・オキーフに会うことができます。その後何度も渡米。ついに念願の営業権を手に入れることができました。
その時の約束は、最初の店を銀座にオープンするということだったのです。日本で無名の店をどのようにしてブランドにするのか。そのためのイメージ戦略が銀座でなくてはならないと、アメリカ側の経営陣に強く主張しました。
しかし権利金、その他開業資金として7500万が必要です。それを集めることは、並大抵の苦労ではなかったようです。
タリーズは開店当初から赤字が続きました。しかしアルバイトの力とリピーターに支えられ、ついに株式上場にこぎつけ、創業者利益を得ます。さらにそれを次の資金にまわすことで、現在スターバックスとは違う店舗展開を行っています。
今後はフランチャイズにも本腰を入れるようです。
松田さんは弱冠35歳。これからが正念場でしょう。
著書の中では、若くしてこの世を去った弟さんへの兄弟愛や、ガンで逝った母親への想いなども語られています。
一つのベンチャーを始めるためにはどれほどのエネルギーがいるのかが、実によくわかります。
どんな時にも、つねに前進し、自分を信じること。この二つが、なによりも大切だと実感しました。
さらにここにはたくさんの失敗が書かれています。それも本書の魅力でしょう。
また信頼の大切さも知ることができます。商売は仁義なき戦いの日々です。全力で走っている人の姿を近くで見ているような気がして、何度も息がつまりました。